退去費用が払えないときはどうする?
間取り別の相場や高額請求への対処法も解説
公開日:2022年11月17日
賃貸物件を退去するときには、退去費用を請求されることがあります。退去費用とはその名のとおり退去するときに支払う費用ですが、本来であれば敷金のなかから支払われるため、請求されないケースも少なくありません。実際のところ、どのようなときに退去費用を請求されるのか具体的に見ていきましょう。
また、退去費用が高額になるケースや間取り別の相場も解説します。退去費用が高額で払えないときの対処法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
退去費用とは?
退去費用とは、退去するときに支払う費用です。賃貸住宅の入居者には「原状回復義務」があり、賃借物を原状に戻して賃貸人に返還しなければなりません。そのため、退去する際の状態が原状とは異なるときは原状回復に必要な費用を支払うことになります。
通常の使用によって生じた損耗や、年月の経過によって生じる変化については原状回復の義務はありませんが、入居者の故意や過失により傷や汚れなどが生じた場合は、原状に回復するための費用が請求されます。
退去費用の仕組み
入居時には通常、敷金と礼金を支払います。このうち礼金は大家さんなどへの「お礼」であり、返還されることはありません。
一方で、敷金は入居者が大家さんなどに担保として預けるお金です。退去する際に家賃の未払金や修繕費用があった場合は敷金から差し引かれ、残った金額が返還されます。
退去費用の相場
壁紙やフローリングなどを修繕する場合は、床面積が広くなればなるほど費用が高額になります。間取り別の相場は以下のとおりです。
- ワンルーム〜1LDK:約5万円
- 2K〜2LDK:約8万円
- 3DK〜4LDK:約9万円
退去費用が高くなるケース
次のいずれかの事情に該当する場合は、退去費用が相場よりも高額になることがあります。
- ペットを飼っていた
- 喫煙をしていた
- 敷金が0円だった
- 掃除を怠っていた
- 目立った損傷がある など
ペットを飼っていた場合は、壁や床などに通常の使用ではつかないような傷や汚れがつくことがあります。また、においが壁などに染みつき、特に損傷がなくても張り替えが必要になるかもしれません。そのため、退去費用が高額になることがあります。
室内で喫煙をしていた場合も、壁に黄色いヤニがつき、通常以上に汚れてしまうことがあります。また、においが染みついてしまうため、壁紙などの張り替えも必要になるでしょう。
こまめな掃除を怠っていたことが原因で汚れがある場合や目立った損傷がある場合も、退去費用は高額になります。丁寧に掃除をするのはもちろんのこと、普段から壁や床、設備などに傷をつけないように心がけましょう。
退去費用を安く抑える方法
退去費用の金額は、あらかじめ決まっているわけではないため、使い方次第で安く抑えられる可能性があります。少しでも安く抑えるための方法をいくつか紹介します。
- しっかり掃除をする
- 入居時に室内の状態を記録しておく
- 敷金0円の物件を避ける
- 契約時に原状回復について確認しておく
それぞれの方法について見ていきましょう。
しっかり掃除をする
退去時にしっかり掃除をすることで、退去費用の請求額を抑えられる可能性があります。たとえば、入居者の掃除が不十分であることが原因でカビやシミが発生している場合の損害は、入居者の負担になります。取り除けるカビやシミはしっかり掃除して取り除いておくと、退去費用として請求される金額を抑えられるでしょう。
また、普段からしっかり掃除をして、入居者負担となる汚れを残さないことも大切です。カビやシミは、放置した時間が長くなると除去しにくくなってしまいます。こまめな掃除で、汚れが染みついてしまう前に落としましょう。
入居時に室内の状態を記録しておく
入居時に室内の様子を写真や動画で撮影し、記録を残しておくことも大切です。特に目立った傷などがある場合は、写真などで記録を残し、入居前から傷があったことがわかるようにしておきましょう。
原状回復とは入居時の状態に戻すという意味のため、入居前の傷や汚れは入居者に責任はありません。トラブルを回避するためにも、記録を残しておくことが大切です。
敷金0円の物件を避ける
敷金0円の物件は入居時の負担が少ない点が魅力ですが、退去費用を全額支払わなくてはいけないため、退去時には負担が大きくなる場合があります。
一方、敷金が設定されている物件であれば、敷金から退去費用を差し引くため、退去時の負担は抑えられます。退去時の負担を抑えたい場合は、敷金0円の物件を避けるほうがいいでしょう。
契約時に原状回復について確認しておく
何をもって原状回復とするかは、契約によって異なることがあります。賃貸契約をする際は契約書の特約に注意し、原状回復について確認しておくようにしましょう。
基本的に原状回復における費用の負担は、「経年による劣化や摩耗などは貸主負担」「故意・不注意によって生じた破損や汚損は借主負担」とされています。しかし、貸主と借主が合意した場合であれば、これらの負担について、一部の割合を変更した契約を締結することが可能です。
ただし、変更した内容については、特約で記載しておくことが求められます。特約は契約ごとに異なるので、契約時にしっかりと特約の内容を確認しておきましょう。特約の内容が借主にとって極端に不利なものである場合は、契約前に交渉し、負担の少ないものに変えられないか交渉しておくことが大切です。
高額な退去費用を請求されたらどうすればいい?
高額な退去費用を請求された場合は、すぐに支払うのではなく、状況を正確に判断する必要があります。また、高額ではなくても退去費用に納得できない場合は、明細を確認することが大切です。
余計に請求されていないか確認する
退去時に原状回復に必要な金額以上を入居者に請求するトラブルが多発しています。国土交通省では、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を作成し、実際にどのようなトラブルが生じているのか、また、どのような基準で原状回復かどうかを見極めるのか紹介しています。
退去費用の請求書を受け取った際は、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」と賃貸契約書を確認しましょう。通常損耗や経年劣化による汚れなど、本来、借主が負うものではない費用が請求されている可能性もあるため、サインをする前に請求書の項目1つずつ妥当かどうかをチェックします。
請求書の明細を見ずにサインをしてしまい、後になって請求が不当なものだとわかることもあるでしょう。そのような場合は、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」や賃貸契約書を根拠として示し、支払う必要のないものであることを主張することが可能です。
大家さんや管理会社に交渉
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」や請求書、賃貸契約書を確認し、不当に請求されている項目が見つかったときは、大家さんや管理会社に直接交渉します。原状回復のガイドラインに沿って原状回復費用の負担額を決めてほしいという意向を伝え、退去費用を正当な金額に変更してもらいます。
専門の相談窓口に相談する
不当な原状回復費用を請求しているにもかかわらず、交渉しても退去費用を減額してくれないなどのトラブルに関しては、専用の窓口で相談できます。利用可能な相談窓口は、次のものがあります。
- 消費生活センター
- 全国賃貸住宅経営者協会連合会
- 日本賃貸住宅管理協会
不当な退去費用を請求されて困ったら一度相談してみるといいかもしれません。
弁護士に相談する
専門の相談窓口に相談しても解決できなかった場合は、弁護士に相談することも検討できます。
退去費用トラブルに強い弁護士に相談すれば、トラブルが解決しやすくなります。ただし、退去費用よりも弁護士費用が高くなってしまう可能性もあるため、事前に弁護士費用がどのくらいかかるのか確認するといいでしょう。
退去費用を払えない場合の対処法
妥当な退去費用であっても、金額が高く、払えない場合もあるでしょう。そのようなときは、次の方法を検討してみましょう。
- 分割にしてもらえないか相談する
- 払えない分を親族や友人に借りる
- クレジットカードのキャッシング枠を利用して払えない分を支払う
- カードローンを利用して払えない分を支払う
それぞれの方法を詳しく解説します。
分割にしてもらえないか相談する
まとめて支払うことが難しい場合は、分割払いにできないか大家さんや管理会社に相談してみましょう。ただし、退去費用は一般的に現金一括払いであることが多く、分割払いにしてもらえるケースは少ないです。
払えない分を親族や友人に借りる
分割払いに応じてもらえない場合は、払えない分の金額を親族や友人に借りられないか相談してみる方法もあります。
ただし、普段から仲良くしている親族や友人であっても、お金の貸し借りによって信頼関係が壊れることがあります。誠意を込めてお願いすることはもちろんのこと、借入れ額と返済方法、返済期限を明記した借用書を作成し、親族や友人が不安なく貸せるように配慮することも必要です。
クレジットカードのキャッシング枠を利用して払えない分を支払う
クレジットカードにキャッシング枠がある場合は、キャッシングを利用してお金を借り、退去費用をまとめて支払うこともできます。
しかし、クレジットカードを持っていない場合や、クレジットカードはあるけれどもキャッシング枠がない場合は、クレジットカード会社に審査を申込むことからはじめる必要があります。申込みからキャッシングが利用できるようになるまでは、数日間かかる場合があるため急いでいる時は注意が必要です。
カードローンを利用して払えない分を支払う
不足する退去費用をカードローンで支払う方法もあります。カードローンは最初にご利用限度額を決め、その範囲内で繰り返し借りることができるローンです。
消費者金融系カードローンは即日融資が可能な場合もあるので、急な出費にも対応できます。
レイクは、Webからのお申込みで21時(日曜日は18時)までに審査・必要書類の確認を含むご契約手続きが完了した場合、最短25分でお借入れが可能です。ただし一部金融機関および、メンテナンス時間などを除きます。
また、はじめてご契約の方なら無利息サービスもご利用いただけます。なるべくお利息を抑えたい方は、ぜひご利用ください。
カードローンを利用する際の注意点
カードローンは、ご利用限度額の範囲内で繰り返しお借入れが可能です。このようなカードローンの特性上、ご利用の際には次の3点にご注意ください。
- 返済計画を立てる
- 金利や無利息期間などの契約内容を確認する
- 余裕がある場合は多めの金額を返済する
以下で詳しく解説します。
返済計画を立てる
お金を借りると返済がはじまります。借りる前に無理のない返済計画を立てておくことが重要です。毎月無理なく返済できる金額はどのくらいなのか、いつまでに完済するのか計画を立ててから、カードローンにお申込みください。
また、カードローンはほかのローンとは異なり、ご利用限度額の範囲内で繰り返しお借入れが可能です。追加でお借入れすると毎月のご返済額やご返済期間が変わることもあるため、その都度、返済計画を立て直すことが大切です。
カードローン会社の公式サイトなどには、返済シミュレーション機能があります。
レイクの場合、「ご返済シミュレーション」でご返済金額やご返済回数をシミュレーションしていただけます。ご希望契約額の入力と無利息期間を選択すれば、毎月のご返済額とご返済回数が試算できます。
毎月のご返済額からお借入れ可能額を調べることもできます。ぜひご活用ください。
- このシミュレーションでの試算結果は参考値です。実際のご返済内容とは異なる場合があるので、あくまでもめやすとしてご確認ください。
金利や無利息期間などの契約内容を確認する
カードローンをご利用の際は、必ず金利やご利用限度額などのご契約内容をご確認ください。また、無利息サービスをご利用の場合は、いつまで適用されるのか無利息期間もご確認ください。
レイクでは、はじめてご契約するお客さま限定で、ご都合にあわせていずれかの無利息サービスをお選びいただけます。
- 60日間無利息(Web申込み限定)
- 30日間無利息
- 5万円まで180日間無利息
ご自身に適用される無利息期間を確認し、ぜひ有効活用してください。
ご自身の借り方によって、どの無利息期間を選べばお利息のご負担が軽くなるか調べられる「無利息診断」もございます。
なお、レイクの無利息期間開始日は「ご契約日の翌日から」となります。「お借入れ日の翌日から」ではありませんのでお気をつけください。
無利息期間中にもご返済日は訪れるので、会員ページでご返済日をご確認いただき、ご返済に遅れないようご注意ください。
余裕がある場合は多めの金額を返済する
家計に余裕がある場合は、多めの金額をご返済いただくことでご利用残高が減り、お利息も少なくなります。カードローンのお利息は、以下の計算式で算出します。
お利息=お借入れ額×貸付利率(年率)÷365日(うるう年は366日)×お借入れ日数
上記の式からわかるとおり金利の高さだけでなく、お借入れ額が多いほどお利息額が増え、ご返済総額も大きくなります。
お利息の負担を減らすためにも、余裕がある場合は約定返済額よりも多めの金額をご返済ください。
まとめ
退去費用を請求された際は、すぐに支払うのではなく、妥当な金額なのか確認することが大切です。また、退去費用を請求されない場合でも、敷金が返還されない場合は、妥当な金額が差し引かれているのか修繕費用の明細で確認しましょう。
退去時のトラブルを回避するためにも、賃貸契約を結ぶ前に大家さんや管理会社に退去費用について確認しておくとより安心です。
正当な退去費用の請求でも、敷金ゼロ物件であった場合などは、まとまった費用が必要になる可能性があります。退去費用が払えないときは、クレジットカードのキャッシングを利用する、カードローンを利用するなどの方法があります。
レイクは、Webからお申込みいただくと最短25分でお借入れが可能です。退去費用の支払い期限が迫っているなど、お急ぎの際にもご利用いただけます。
監修者:
古関 俊祐
プロフィール:
東京都江戸川区出身。中央大学法学部卒。弁護士登録後から大手法律事務所にて消費者金融、銀行ローン各社との債務整理、過払金請求事件を多数取り扱い、現在も多くの依頼者からの相談を受けている。これまでの債務整理案件の取扱い実績は数百件に上る。また、債務整理案件だけでなく、保険や不動産など財産にまつわる問題、離婚や相続といった家庭内の問題などさまざまな問題について手広く対応し多角的視点から問題解決を図るプロフェッショナルとして活躍している。現在は、地元である東京都葛飾区の新小岩駅前にて弁護士法人新小岩法律事務所の代表弁護士として活動している。
資格情報:
弁護士