葬儀費用がないときはどうする?
利用できる制度や負担を抑える方法を紹介

公開日:2022年11月29日

葬儀費用がないときはどうする?利用できる制度や負担を抑える方法を紹介

家族や親族の不幸は突然やってきます。一般的に、葬儀までの日数にも余裕がないため、まとまった資金がなく葬儀費用が払えないと困っている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、葬儀に充てるまとまった資金を用意できない場合の対処法や、葬儀費用の負担を抑える方法を解説します。利用できる公的な制度も紹介するので、参考にしてください。

葬儀費用は誰が払うべき?

葬儀費用を誰が支払うかについての法的な決まりはなく、一般的には喪主が支払うケースが多いです。亡くなった方の配偶者や長男、長女などが喪主を務めることが多いですが、全額を喪主が支払えるとは限りません。喪主が全額支払うのが難しい場合は、親族などが一部を負担するケースもあります。
また、亡くなった方が遺言代用信託を用意していた場合は、一般的に受取人が支払います。遺言代用信託とは、財産を銀行に信託することで、亡くなった後にあらかじめ指定していた受取人に財産が給付されるサービスのことです。
遺言代用信託で受取人を指定しておけば、相続の手続きなどがなく、スムーズにまとまったお金を受け取れるため、葬儀費用にも充てられます。

葬儀費用がない場合の対処法

葬儀費用がなくて困っている方向けに、まとまった資金が用意できない場合の対処法を解説します。

  • 故人の資産から葬儀費用を支払う
  • 親族や友人に相談する
  • 葬祭扶助制度を利用する
  • 葬祭向けローンの利用を検討する

故人の資産から葬儀費用を支払う

「遺産分割前の相続預金の払戻し制度」を利用すれば、故人の資産から葬儀費用を支払える可能性があります。
口座名義人が亡くなると、銀行にその旨を連絡しなければなりません。通常、連絡をすると口座が凍結され、原則引き出しができなくなります。
遺産分割前の相続預金の払戻し制度とは、葬儀費用などが必要となった場合に、相続預金から一定の金額まで相続人が単独で払戻しを受けられる制度です。以下の式で算出した金額まで、相続人1人で払戻しが受けられます。

相続開始時の預金額(口座・明細基準)×1/3×払戻しをおこなう相続人の法定相続分

ただし、1つの金融機関につき150万円が上限です。また、遺産分割前の相続預金の払戻し制度を利用する場合、書類の提出や確認などで時間がかかる点や、場合によっては制度を利用できない可能性もある点にも注意が必要です。

親族や友人に相談する

親族に葬儀費用を一部負担してもらえないかを相談するのも手段の1つです。葬儀費用は一般的に喪主が支払いますが、亡くなった方の兄弟姉妹などで負担するケースなどもあります。
また、友人からお金を借りる場合は、お金が必要な事情や返済日をきちんと伝え、借用書を交わすことが大切です。相手からの信用を失わないためにも安易な借入れは避け、慎重に検討しましょう。

葬祭扶助制度を利用する

葬祭扶助制度は、経済的な困窮により葬儀費用を支払えない方に対し、自治体が葬儀費用を支援してくれる制度です。
支給される葬祭扶助費は自治体によって異なりますが、あくまでもご遺体の検案や運搬、火葬や埋葬、納骨などの最低限の範囲のみ支援が受けられます。
また、生活保護受給者であるなどの一定の条件を満たした場合にのみ制度の利用が可能です。葬祭扶助制度を利用する場合は事前申請が必要であるため、まずは自治体に相談しましょう。

葬祭向けローンの利用を検討する

葬儀社が提供するローンや銀行の葬祭向けローンの利用も検討可能です。葬儀社でローンに申込む場合は、提携する信販会社のローンを利用するのが一般的です。葬儀社で直接手続きできるので、手間がかかりません。また、借入れまでの時間も早い傾向にあります。
金融機関のフリーローンを利用する方法もあります。フリーローンは基本的に使い道が自由なので、葬儀費用や墓地購入代など幅広い用途に充てることが可能です。
なお、ローンを利用する際には、必ず審査がおこなわれます。基本的に、安定した収入がない場合は利用できません。

葬儀費用の負担を抑える方法

葬儀費用の負担を抑える方法

急に葬儀費用が必要になり、資金がなくて困っている方のために、葬儀費用を安くする方法を紹介します。

  • 規模の小さな葬儀にする
  • 複数社から見積もりをとる
  • 保険の給付制度を利用する
  • 市民葬や区民葬を活用する

規模の小さな葬儀にする

一般的に、規模の大きい葬儀ほど葬儀費用が高くなります。葬儀の形式には、一般葬、家族葬、直葬などがあり、なかでも一般葬は最も規模が大きく費用が高めです。

葬儀形式を家族葬や直葬などにすれば、費用を抑えられる可能性があります。形式別の平均葬儀費用はそれぞれ以下のとおりです。

形式 葬儀そのものの費用 飲食費 お布施や宗教者手配費用 合計
一般葬 1,312,167円 251,170円 346,237円 1,909,574円
家族葬 753,971円 114,408円 228,607円 1,096,986円
直葬 237,779円 39,205円 78,127円 355,110円
形式別の平均葬儀費用
形式 一般葬
葬儀そのものの費用 1,312,167円
飲食費 251,170円
お布施や宗教者手配費用 346,237円
合計 1,909,574円
形式 家族葬
葬儀そのものの費用 753,971円
飲食費 114,408円
お布施や宗教者手配費用 228,607円
合計 1,096,986円
形式 直葬
葬儀そのものの費用 237,779円
飲食費 39,205円
お布施や宗教者手配費用 78,127円
合計 355,110円

上記の調査では、直葬の場合、一般葬よりも平均費用が約155万円安いという結果でした。葬儀そのものの費用が安いだけでなく、参列者が少ない分、飲食費用も抑えられています。
なお、同調査によると、最もおこなわれたのは葬儀の形式は家族葬でした。この結果から、近年は小規模葬儀が浸透してきていることがわかります。

複数社から見積もりをとる

複数の葬儀社から見積もりをとれば、安い葬儀社を見つけられる可能性が高まります。比較検討できるため、相場もわかります。
葬儀社によってサービス内容も異なるので、プラン内容も比較し、必要なサービスが含まれているかどうかを確認しましょう。

保険の給付制度を利用する

保険の給付制度を利用する方法も知っておきましょう。国民健康保険、後期高齢者医療制度に加入していた方が亡くなった場合、葬祭をおこなった方に葬祭費が支給されます。金額は自治体により異なるので、確認が必要です。
また、社会保険や共済組合に加入していた方が亡くなった場合、埋葬をおこなった方に埋葬料(費)が5万円支給されます。
申請の期限は、葬儀をおこなった日の翌日から2年間です。必要書類などを事前に確認し、漏れなく手続きしましょう。

市民葬や区民葬を活用する

市民葬・区民葬は、自治体が市民・区民向けに提供する特別な葬儀プランのことです。割安な葬儀費用でとりおこなえるのが特徴ですが、あくまでも必要最低限の葬儀内容となるため注意しましょう。サービスを追加する場合は、料金がかかります。
市民葬・区民葬は、自治体と提携する葬儀社で葬儀をおこなうのが一般的です。利用できる葬儀社が限られているので、事前に確認しましょう。自治体によっては、ホームページなどで公開されています。
利用できるのは、亡くなった方が住んでいた、または喪主が住んでいる地域です。申込みは自治体・葬儀社でおこなえます。

葬儀費用は分割払いできる?

葬儀社が分割払いに対応していれば、一度にまとまった資金が用意できない方でも柔軟に対応できます。
一部の葬儀社では、葬祭ローンを利用すれば葬儀費用の分割払いが可能です。
また、クレジットカード払いに対応している葬儀社であれば、クレジットカードの分割払いが利用できます。クレジットカードによっては、一括払いを指定した後に分割払いに変更することも可能です。
クレジットカードの場合は、カードごとのポイントやキャッシュバックも受けられます。ただし、クレジットカードは一般的に3回以上の分割、リボ払いには手数料がかかるので注意してください。
あらかじめ葬儀社に、クレジットカード払いに対応しているのか、どのタイミングで葬儀費用を支払うのかを確認しておきましょう。

葬儀費用の支払い後、生活費に困ったらカードローンの利用も検討

葬儀費用を支払った後、一時的に生活費に困った場合は、カードローンの利用もご検討ください。カードローンは、ご利用限度額の範囲内で繰り返しお借入れができる個人向けローンです。
使い道が原則自由なので、生活費など幅広い資金にあてられます。また、消費者金融系カードローンなら最短即日でお借入れできるので、急な出費にも対応できます。
レイクは、Webからのお申込みで21時(日曜日は18時)までに審査・必要書類の確認を含むご契約手続きが完了した場合、最短25分でお借入れが可能です。ただし一部金融機関および、メンテナンス時間などを除きます。
その日のうちにお借入れできる可能性があるため、急な出費にも対応できます。
また、はじめてご契約の方ならご都合にあわせて3つの無利息サービスから選んでご利用いただけます。なるべくお利息を抑えたい方は、ぜひご利用ください。

カードローンを利用する際の注意点

カードローンは、ご利用限度額の範囲内で繰り返しお借入れが可能です。このようなカードローンの特性上、ご利用の際には次の3点にご注意ください。

  • 返済計画を立てる
  • 金利や無利息期間などの契約内容を確認する
  • 余裕がある場合は多めの金額を返済する

以下で詳しく解説します。

返済計画を立てる

お金を借りると返済がはじまります。借りる前に無理のないご返済計画を立てておくことが重要です。毎月無理なくご返済できる金額はどのくらいなのか、いつまでに完済するのか計画を立ててから、カードローンにお申込みください。
また、カードローンはほかのローンとは異なり、ご利用限度額の範囲内で繰り返しお借入れが可能です。追加でお借入れすると毎月のご返済額やご返済期間が変わることもあるため、その都度、ご返済計画を立て直すことが大切です。
カードローン会社の公式サイトには、返済シミュレーション機能があります。
レイクの場合、「ご返済シミュレーション」でご返済額やご返済回数をシミュレーションしていただけます。ご希望契約額の入力と無利息期間を選択すれば、毎月のご返済額とご返済回数が試算できます。
毎月のご返済額から検討可能なお借入れ額を調べることも可能です。ぜひご活用ください。

  • このシミュレーションでの試算結果は参考値です。実際のご返済内容とは異なる場合があるので、あくまでもめやすとしてご確認ください。

金利や無利息期間などの契約内容を確認する

カードローンをご利用の際は、必ず金利やご利用限度額などのご契約内容をご確認ください。また、無利息サービスをご利用の場合は、いつまで適用されるのか無利息期間もご確認ください。
レイクでは、はじめてご契約するお客さま限定で、ご都合にあわせていずれかの無利息サービスをお選びいただけます。

  • 60日間無利息(Web申込み限定)
  • 30日間無利息
  • 5万円まで180日間無利息

ご都合にあわせて無利息期間を選択いただけますので、ご自身に適用される無利息期間を確認し、ぜひ有効活用してください。
ご自身の借り方によって、どの無利息期間を選べばお利息のご負担が軽くなるか調べられる「無利息診断」もございます。
なお、レイクの無利息期間開始日は「ご契約日の翌日から」となります。「お借入れ日の翌日から」ではありませんのでお気をつけください。
無利息期間中にもご返済日があります。会員ページでご返済日をご確認いただき、ご返済に遅れないようご注意ください。

余裕がある場合は多めの金額を返済する

家計に余裕がある場合は、多めの金額をご返済いただくことでご利用残高が減り、利息も少なくなります。カードローンの利息は、以下の計算式で算出します。

利息=お借入れ額×貸付利率(年率)÷365日(うるう年は366日)×お借入れ日数

上記の式からわかるとおり金利の高さだけでなく、お借入れ額が多いほど利息額が増え、ご返済総額も大きくなります。
利息の負担を減らすためにも、余裕がある場合は約定返済額よりも多めの金額をご返済ください。

まとめ

葬儀費用が突然必要になるケースは多く、支払いまでに十分な日数もないため、資金が用意できないと頭を抱える方も多いでしょう。
葬儀費用を期限までに用意するのが難しい場合、故人の資産から支払う、葬祭向けローンを利用するなど対処法がいくつかあります。
また、相見積もりをとる、規模の小さい葬儀形式にするなどの工夫により葬儀自体の費用を抑えることも可能です。
まとまった葬儀費用を支払い、生活費が一時的に足りない場合は、カードローンのご利用もご検討ください。

監修者:松崎 観月

監修者:

松崎 観月

プロフィール:

大学卒業後、金融機関にて個人営業を担当し、資産運用の相談・保険販売などを経験する。退社後、CFP認定を取得。現在は金融に関する記事の執筆・監修を行う。これまでに執筆した記事は500本を超える。

資格情報:

CFP®、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、日商簿記検定2級