副業詐欺とは?
手口や対策、被害に遭った場合の対応をまとめて紹介
公開日:2023年2月2日
政府が副業や兼業の普及促進を図っていることから、副業を解禁する企業が増え、実際に副業をおこなう方も増加してきました。しかし、それにともない、副業したい方を狙った詐欺も増加しています。
副業して収入を増やすつもりが、副業詐欺に遭って損失を被ることにもなりかねません。副業詐欺被害に遭わないためにも、副業詐欺の手口や特徴を知っておきましょう。
副業詐欺で使われる手口とは?
副業詐欺では、以下のような手口がよく使われます。
- 情報商材や教材を高く売りつける
- 投資話を持ちかけて高額請求する
- ネットショップを運営させて金銭を騙し取る
手口を知っておけば、副業詐欺被害に遭う可能性も低くなります。これから副業をしようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
情報商材や教材を高く売りつける
副業詐欺では、情報商材や教材を売りつける手口が使われることが多くあります。
情報商材とは、副業や投資、ギャンブルなどで高収入を得るためのノウハウとして販売されている商材です。
副業をしたいけれど、何をどうはじめればいいのか分からない方や、副業で稼げるか不安な方をターゲットにした詐欺です。
購入手続きをしたものの情報が得られない、提供された情報が金額に見合わない内容だったなどのケースがあり、高額なお金を支払っても有益な情報を得られません。
また、最初は低額のお金を支払わせて、その後により高額な情報商材を購入させる手口もあります。金額が低いからといって詐欺ではないと判断してしまわないように注意が必要です。
このような情報商材詐欺は、被害者側が抗議しても「副業をすれば取り戻せる金額だ」として言いくるめられてしまうことも少なくありません。情報商材や教材の購入を勧められたら、詐欺の可能性を疑いましょう。
投資話を持ちかけて高額請求する
偽の投資話を持ちかけてくる手口は、副業詐欺にも多く存在します。投資話の持ちかけ方の一例を紹介します。
- 儲かる株の情報を教えるからと情報を購入するように勧められる
- 上場予定の企業の株式を今のうちに買っておいたほうがいいと勧められる
- 暗号資産やFXで資産を増やすことができると口座開設を勧められる
いずれの手口も高額なお金の支払いや口座へ振込みをするように話を勧めてきますが、結局は高い金額に見合った情報やリターンは得られません。振込んだお金を出金できず、出金するには手数料がかかるなどと言われ、さらに高額なお金を請求されることもあります。
投資話は「絶対儲かる」「必ず儲かる」と持ちかけられますが、必ず儲かると言い切れる投資は存在しません。
「必ず儲かる」などと投資話を持ちかけられても、絶対に誘いにのらないようにしましょう。
ネットショップを運営させて金銭を騙し取る
ネットショップを開設・運営させ、サイトの制作費用や手数料などを高額請求してくる手口です。
「サイトの制作や仕入・発送は当方で代行するため、あなたは問合せの対応や、商品の宣伝をするだけでいい」などと言い、簡単にネットショップの運営でお金を稼げると誘ってきます。
最初にサイトの制作費用や契約金を請求され、ネットショップの運営が始まってからは何もサポートを受けられないまま会員費や代行手数料などを請求されます。
詐欺を目的とした悪徳業者は「必ず儲かる」「誰でも簡単に稼げる」などの謳い文句で勧めてきますが、誰でも簡単に必ず儲かる仕事はありません。
実際に多くのネットショップ代行サービスが存在しますが、利用する前にしっかり運営元を確認し、簡単に稼げると謳っているサービスや高額請求してくる場合には手を出さないようにしましょう。
副業詐欺の特徴とは?
副業詐欺の手口は巧妙化・多様化しているため、詐欺だと判断が難しい場合もあります。しかし、副業詐欺には共通した特徴がみられます。
副業詐欺の特徴を知っておくことで、詐欺なのか詐欺ではないのか見極めることができます。
次のいずれかの特徴に当てはまる場合は、詐欺を疑い、関わらないようにしましょう。
- 一般的な仕事に比べ条件が良すぎる
- 「絶対」「必ず」など極端な表現が多い
- 事前にお金を要求してくる
- SNSをきっかけに副業の話を持ちかけられる
それぞれ以下で詳しく解説します。
一般的な仕事に比べ条件が良すぎる
本来、報酬は労働の対価であるため、作業量が多い仕事や特定の資格・知識を必要とする仕事は報酬が高額になる傾向にあります。
しかし、作業も簡単、特定の資格・知識も不要という条件で高額な報酬が提示されていることがあります。
たとえば、「誰でも簡単にできます」「余った時間で高収入」などの誘い文句を見たことはないでしょうか。このような条件が良すぎる仕事は、詐欺の可能性が高いと考えられます。
副業詐欺では、お金を騙し取るためにいい条件を並べていることが多いです。基本的に条件の良すぎる仕事は世の中に存在しないと考えておきましょう。
「絶対」「必ず」など極端な表現が多い
副業詐欺は「絶対稼げる」「必ず儲かる」「誰でも簡単に稼げる」などの極端な表現で誘ってくるケースが多いです。
しかし、実際よりも著しく優良・有利であると人を誤認させる表示はしてはならないと法律で定められています。
そのため、正当な企業や事業者であれば、「絶対稼げる」や「必ず儲かる」いう極端な表現を使うことはありません。
極端な表現が使われている場合は、詐欺を疑うようにしましょう。
事前にお金を要求してくる
副業詐欺では、副業をはじめる前にお金を要求してくるケースが少なくありません。
情報商材や副業に使う道具や備品の購入を勧めてくる、高額な手数料を支払うよう要求してくるなど、事前にお金を要求してくる場合は注意が必要です。
また、お金を支払ってしまった後に返金を求める場合や、お金を支払えない場合に「1人に紹介したら5万円もらえる」などと言って勧誘させる「後出しマルチ」と呼ばれるマルチ商法に誘いこまれてしまうこともあるので、注意しましょう。
SNSをきっかけに副業の話を持ちかけられる
SNSをきっかけに副業詐欺の被害に遭う方が増えています。
SNSでは、ビジネスで成功している様子や、充実した生活をしている様子を投稿している人から連絡がきて勧誘される、SNSの広告を見て被害に遭ってしまうケースがあります。
また、近年ではマッチングアプリで出会った人から勧誘を受け、被害に遭ってしまうケースも増えています。
SNSは匿名で不特定多数の人に接触できるため、詐欺で使われることが多いツールです。SNSだけのつながりで仕事を受けてしまうと、トラブルに巻き込まれる可能性があります。
仕事を探す場合は、SNSではなく信頼できる求人サイトやクラウドソーシングサイトなどを利用しましょう。運営する企業を調べ、信頼性を確認してから仕事を探すことも大切なポイントです。
副業詐欺に遭ってしまった場合の対処法
副業詐欺の手口は、ますます巧妙化しています。副業詐欺の手口や特徴を理解していても、巻き込まれてしまうことがあるかもしれません。
もし副業詐欺に遭ってしまった場合は、次の対処法を実践しましょう。
- クレジットカードを利用停止する
- 相談窓口に連絡して相談する
- クーリングオフを利用する
- 警察相談専用電話を利用する
詐欺に遭ってしまったと気づいたら、すぐに対処が必要です。それぞれの対処法を詳しく解説していきます。
クレジットカードを利用停止する
相手側にクレジットカードの情報を提供してしまった場合は、不正利用されてしまうリスクがあるため、すぐにクレジットカード会社に連絡し、利用停止にしましょう。
クレジットカードのカード番号や暗証番号を教えてしまった場合はもちろん、クレジットカードで商材などを購入した場合もクレジットカードの情報を提供してしまっている可能性があります。
また、金融機関の口座番号や暗証番号を教えてしまった場合も、すぐに金融機関に連絡して出金停止にしましょう。不正利用されるリスクを避けるためにも迅速な対応が不可欠です。
相談窓口に連絡して相談する
詐欺に遭ってしまった場合は、消費者庁の電話相談窓口「消費者ホットライン」に相談しましょう。局番無しの「188」番でつながります。通話料金はかかりますが、無料で相談可能です。
消費者ホットラインでは、消費者と事業者間のトラブルについて相談でき、交渉方法や具体的な解決策を助言してくれます。
1人で悩むよりも、対応策が見つかる可能性があります。泣き寝入りせずに、連絡してみましょう。
クーリング・オフを利用する
クーリング・オフとは、1度契約の申込みや契約を締結した後でも、期間内なら無条件で契約の撤回や解除ができる制度です。
電話販売や訪問販売であれば申込書や契約書を受け取った日(両方受け取った場合はいずれか早いほうの日)から8日以内、内職商法やマルチ商法であれば20日以内に申し出ると、無条件で解約できます。
契約解除できれば、支払ってしまったお金を取り返すことが可能になります。
なお、クーリング・オフはできないと言われる、脅されるなどでクーリング・オフの妨害をされた場合は、所定の期間を過ぎてしまってもクーリング・オフは可能です。
警察相談専用電話を利用する
詐欺の被害に遭った際の対処法として警察相談専用電話に連絡して相談する方法があります。
「110」番は警察にすぐ駆けつけてほしい緊急の事件や事故を受け付ける緊急ダイヤルなため、緊急対応を必要としない場合は、警察相談専用電話である「♯9110」番に連絡しましょう。
警察相談専用電話では、相談内容に応じて関連部署が指導や助言、相手への警告、検挙など、必要な措置をとってくれます。
まとめ
副業詐欺は、副業で稼ぎたいという心理をついて誘い、金銭を搾取してくる悪質な詐欺です。SNSを経由している、条件が良すぎる、極端な表現を使っているなどの特徴が当てはまった場合には、決して関わらないようにしましょう。
また、副業を探す場合には、運営元をしっかり確認することも重要です。
万が一、副業詐欺に遭った場合には、消費者ホットラインや警察相談専用電話に連絡し、相談しましょう。被害が大きくならないように迅速な対処が大切です。