奨学金の滞納によるリスクは?
ローン審査への影響と払えないときの対処法
公開日:2023年6月21日
大学生の約半数が奨学金制度を利用していますが、なかには返済に困っている方もいるのではないでしょうか。
奨学金を滞納すると、延滞金がかかるだけでなく、クレジットカードやローンの審査に通過できなくなる可能性があります。
この記事では、奨学金を滞納するリスクと払えないときの対処法を解説します。返済日までにお金を用意できない場合に利用できる制度もあるので、返済に困っている方は参考にしてください。
奨学金滞納で生じるリスク
奨学金を利用すると、長期にわたって返済していかなければなりません。返済に遅れてしまうと、さまざまなリスクが生じます。
奨学金には、大学の学内奨学金や自治体の奨学金などがありますが、ここでは、最も一般的な日本学生支援機構の奨学金を延滞した場合のリスクを解説します。
- 督促を受ける
- 延滞金が発生する
- 滞納が3ヵ月以上続くと信用情報に登録される
- 一括での返還を請求される
- 差し押さえのリスクもある
督促を受ける
日本学生支援機構の奨学金を延滞すると、電話や文書で督促がおこなわれます。1回のみ引き落としができなかった場合の督促の流れは、以下のとおりです。
- 督促の電話がくる
- 振替不能の通知が届く
- 個人信用情報機関への登録についてショートメッセージが届く
- 次回返済日に2ヵ月分が引き落とされる
2回連続で引き落としできなかった場合は連帯保証人、3回連続の場合は連帯保証人・保証人にも文書が届きます。
また、振替不能2回目の場合は「3ヵ月分の返済額と延滞金」、振替不能3回目の場合は「4ヵ月分と延滞金」が引き落とされます。
督促がおこなわれる際、本人と連絡を取る方法がない場合は、勤め先に電話がくることもあります。ただし、要件は本人と確認できた場合にのみ伝えられるため勤め先の方に電話で滞納の事実が知られる心配はありません。
延滞金が発生する
日本学生支援機構の奨学金を延滞すると、延滞している割賦金に対して1.5%~10%の延滞金を支払わなくてはなりません。
延滞金の計算方法は、貸与した時期や奨学金の種類によって異なります。金額は、返済に遅れた場合に届く「振替不能のお知らせ」にて確認できます。
例えば、1月分,2月分の奨学金が引き落としできなかった場合、3月27日に3ヵ月分(1~3月分)と延滞金の合計が引き落とされます。毎月の返済額が1万円だった場合、3月27日に引き落とされる金額は、「3万円(3ヵ月分)+延滞金」です。
なお、1回のみ引き落としができなかった場合は、延滞金は引き落とされず、次回返済日に2ヵ月分が引き落とされます。
滞納が3ヵ月以上続くと信用情報に登録される
滞納が3ヵ月以上続くと、信用情報機関に個人情報・契約の情報・返還の状況が登録されます。信用情報機関には、貸与額や最終返還期日だけでなく、延滞や代位弁済の情報も記録されます。
返済の確認ができていない方には、個人信用情報機関への登録に関するショートメッセージや通知文書が届くので、登録される前に入金しましょう。
個人信用情報機関に延滞の履歴が記録されると、クレジットカードやローンの審査で返済能力がないと判断されやすく、通過しにくくなる可能性があります。延滞中は記録が残り続け、完済後も5年程度は削除されません。
一括での返還を請求される
督促を受けても返済できず、延滞が続いた場合、支払能力があるにもかかわらず割賦金の返済を著しく怠ったと判断されると、未返済の奨学金全額・利息(第二種奨学金の場合)・延滞金の一括返済を請求される場合があります。
一括での返済を請求された場合、数百万円の大きなお金を一度に返済しなくてはならない可能性も出てくるでしょう。
日本学生支援機構の「令和3年度業務実績等報告書」(※)によると、令和3年には、13,393件の一括返還請求がおこなわれています。
差し押さえのリスクもある
最終的には、法的措置がとられ、預金や車などの財産や給与が差し押さえられるリスクもあります。
給与差し押さえの場合、原則として給与の4分の1まで差し押さえが認められており、家計に大きな影響を受けるでしょう。手取り収入が大きく減るため、収入によっては生活が苦しくなる場合もあります。
差し押さえがおこなわれると、給与の一部が回収されるだけでなく、滞納の問題が家族や勤め先にも知られてしまうため、注意が必要です。
奨学金が払えないときの対処法
奨学金が払えないときに最もやってはいけないのは、延滞したまま放置することです。
奨学金の引き落としができなかった場合は翌月に再振替されるので、速やかに口座に入金が必要です。また、翌月までに用意するのが難しい場合は、放置するのではなく、以下の対処法を検討しましょう。
- 奨学金の猶予・減額制度を利用する
- 精神若しくは身体の障害による返還免除
- 自治体の奨学金返還支援制度を利用する
- カードローンの借入金で返済する
奨学金の猶予・減額制度を利用する
日本学生支援機構では、奨学金の返済ができない事情がある方のために、猶予・減額制度が設けられています。
- 減額返還制度:一定期間、毎月の返済額を下げる制度
- 返還期限猶予制度:毎月の返済を一定期間延期する制度
減額返済制度は、毎月の返済額を下げて返済期間を延長し、毎月の返済負担を減らせる制度です。1度の申請で12ヵ月間、返済額が1/2か1/3に減額され、最長で5年分の返還金を15年かけて返済できます。収入が一定基準以下の場合のみ、利用が可能です。
返還期限猶予制度は、毎月の返済を一定期間待ってもらえる制度です。傷病・生活保護を受給している・失業中・低収入・罹災したなどの事情がある場合に利用できます。猶予期間中は、延滞扱いにはならず、延滞金も発生しません。
なお、猶予・減額制度を利用する場合は必要書類をそろえて申請する必要があります。また、いずれの制度も返還総額が減るわけではない点を理解しておきましょう。
精神若しくは身体の障害による返還免除
返還免除制度は、精神や身体の障害により労働能力を失った場合・大きな制限をかけられた場合に、奨学金の返済額の全部または一部が免除される制度です。利用する際は、返済できない事情や医師の診断書などが必要となります。
該当する可能性がある方は、日本学生支援機構に相談しましょう。
自治体の奨学金返還支援制度を利用する
全国の都道府県や市区町村には、奨学金の返還を支援する制度があります。例えば、北海道旭川市では、旭川市内で就職して地域に定着した方を対象に、奨学金の一部を補助しています。
ただし、自治体によっては、奨学金を滞納していると補助を受けることができません。自治体により、補助の対象となる奨学金の種類や制度を利用するための条件が異なるので、利用できるかどうかを調べましょう。
カードローンの借入金で返済する
奨学金の返済が一時的に難しい場合は、カードローンのご利用もご検討ください。使い道が自由なので、奨学金や奨学金を返済した後の生活費にも充てられます。
カードローンは、あらかじめ決められた利用限度額の範囲で、ATMや振込を利用して繰り返しお借入れが可能です。消費者金融が提供するカードローンなら最短即日融資をおこなっているので、奨学金の返済日が近づいていても対応できます。
ご契約がはじめてなら、一定期間の利息が0円になる無利息サービスをご利用できる可能性もあります。
ただし、カードローンは奨学金が一時的に返済できない場合のご利用をご検討ください。カードローンの金利は奨学金よりも高い傾向にあるため、短期間のご利用で返済の目処がたっていることが重要です。
継続的に奨学金の返済ができなくなる可能性がある場合は、早めに猶予制度や減額制度などを検討しましょう。
奨学金の滞納について知っておきたいこと
奨学金の滞納に関して、知っておきたいことを解説します。
- 滞納しなければローンの審査に影響はない
- 滞納してから減額の申請はできない
- 奨学金を滞納すると連帯保証人にも影響がある
滞納しなければローンの審査に影響はない
奨学金の契約内容や返還状況が信用情報機関に記録されるのは、滞納が3ヵ月続いた場合です。滞納していなければ、信用情報機関に個人情報を記録されることはありません。
したがって、毎月確実に返済していれば、クレジットカードやローンの審査結果に大きな影響はないと考えられます。
滞納してから減額の申請はできない
減額制度を利用できるのは、滞納していない方のみです。返済できないからと放置すると、申請ができなくなります。奨学金の返済が難しい方は、滞納する前に減額制度を利用して返済の負担を減らしましょう。
奨学金を滞納すると連帯保証人にも影響がある
奨学金を滞納すると、連帯保証人も督促を受けます。
連帯保証人とは、債務者が返済しない場合に代わりに返済する義務を負う人です。連帯保証人には、「債務者本人に先に請求してほしい」「債務者の財産を先に差し押さえてほしい」主張が認められていません。つまり、債務者同様の重い責任をもちます。
原則として、奨学金の連帯保証人になるのは父母です。奨学金を滞納すると、親にも大きな影響を与えます。
レイクは最短即日融資が可能なカードローン
レイクは、Webからのお申込みで最短25分融資が可能なカードローンです。Webで21時(日曜日は18時)までのご契約手続き完了(審査・必要書類の確認含む)で、当日中にお振込みが可能です。ただし一部金融機関および、メンテナンス時間などを除きます。
その日のうちにお借入れできる可能性があるため、奨学金の支払い期日が迫っていても対応できます。
はじめてのご契約なら、選べる無利息サービスのご利用いただけるので、利息の負担軽減が可能です。なるべく利息の負担を抑えたい方は、ぜひご検討ください。
カードローンを利用する際の注意点
カードローンは、ご利用限度額の範囲内で繰り返しお借入れが可能です。このようなカードローンの特性上、ご利用の際には次の3点にご注意ください。
- 返済計画を立てる
- 金利や無利息期間などの契約内容を確認する
- 余裕がある場合は多めの金額を返済する
以下で詳しく解説します。
返済計画を立てる
お金を借りると返済がはじまります。借りる前に無理のない返済計画を立てておくことが重要です。カードローンの金利は奨学金より高い傾向があります。さらに、ご返済に遅れてしまうと遅延損害金(年率)が発生します。
ご返済の目処はたっているか、いつまでに完済するのか計画を立ててから、カードローンにお申込みください。
また、カードローンはほかのローンとは異なり、ご利用限度額の範囲内で繰り返しお借入れが可能です。追加でお借入れすると毎月のご返済額やご返済期間が変わることもあるため、その都度、返済計画を立て直すことが大切です。
カードローン会社の公式サイトには、返済シミュレーション機能があります。
レイクの場合、「ご返済シミュレーション」でご返済額やご返済回数をシミュレーションしていただけます。ご希望契約額の入力と無利息期間を選択すれば、毎月のご返済額とご返済回数が試算できます。
毎月のご返済額から検討可能お借入れ額を調べることもできます。ぜひご活用ください。
- このシミュレーションでの試算結果は参考値です。実際のご返済内容とは異なる場合があるので、あくまでもめやすとしてご確認ください。
金利や無利息期間などの契約内容を確認する
カードローンをご利用の際は、必ず金利やご利用限度額などのご契約内容をご確認ください。また、無利息サービスをご利用の場合は、いつまで適用されるのか無利息期間もご確認ください。
レイクでは、はじめてご契約するお客さま限定で、ご都合にあわせていずれかの無利息サービスをお選びいただけます。
- 60日間無利息(Web申込み限定)
- 30日間無利息
- 5万円まで180日間無利息
ご都合にあわせて無利息期間を選択いただけますので、ご自身に適用される無利息期間を確認し、ぜひ有効活用してください。
ご自身の借り方によって、どの無利息期間を選べば利息のご負担が軽くなるか調べられる「無利息診断」もございます。
なお、レイクの無利息期間開始日は「ご契約日の翌日から」となります。「お借入れ日の翌日から」ではありませんのでお気をつけください。
無利息期間中にもご返済日があります。会員ページでご返済日をご確認いただき、ご返済に遅れないようご注意ください。
余裕がある場合は多めの金額を返済する
家計に余裕がある場合は、多めの金額をご返済いただくことでご利用残高が減り、利息も少なくなります。カードローンの利息は、以下の計算式で算出します。
利息=お借入れ額×貸付利率(年率)÷365日(うるう年は366日)×お借入れ日数
上記の式からわかるとおり金利の高さだけでなく、お借入れ額が多いほど利息額が増え、返済総額も多くなります。
利息の負担を減らすためにも、余裕がある場合は約定返済額よりも多めの金額をご返済ください。
まとめ
奨学金を滞納すると、延滞金がかかる、クレジットカードやローンの審査に通りにくくなるなど、さまざまなリスクがあります。
延滞を放置していると一括返済を請求され、最終的には財産を差し押さえられる可能性もあります。
返済が難しそうな場合は、延滞する前に返還期限猶予や減額返還制度の利用を検討しましょう。
監修者:
松崎 観月
プロフィール:
大学卒業後、金融機関にて個人営業を担当し、資産運用の相談・保険販売などを経験する。退社後、CFP認定を取得。現在は金融に関する記事の執筆・監修を行う。これまでに執筆した記事は500本を超える。
資格情報:
CFP®、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、日商簿記検定2級