固定資産税が払えないとどうなる?
対処法を分かりやすく解説
公開日:2023年8月21日
固定資産税は、固定資産を所有している個人や法人に課税される地方税です。
土地や建物などを所有していると毎年支払わなくてはならないため、家計への負担は少なくないでしょう。払えない状況になることも考えられます。
この記事では、固定資産税を払えない場合のリスクを解説します。固定資産税を払えないときの対処法も紹介するため、土地や建物などの固定資産を所有している方は、ぜひ参考にしてください。
固定資産税とは?
固定資産税とは、土地や建物などの固定資産に課せられる地方税です。毎年1月1日時点で不動産などの固定資産を所有している個人または法人に対して課税されます。
土地や家屋などの固定資産が所在する市町村によって異なりますが、4~6月頃に届く納税通知書で年4回に分けて納めることが一般的です。
土地や建物だけでなく、償却資産も固定資産税の課税対象です。償却資産とは、土地・建物以外の事業用資産(事業の用に供することができる資産)のことで、具体的には以下のようなものが該当します。
- 事業者が所有する構築物
- 飛行機
- 船
- 車両・運搬具
- パソコンや工具などの備品
なお、「事業の用に供することができる資産」の「事業」には、営利目的の行為だけでなく一定の目的のために一定の行為を反復して行う行為も含まれます。営利団体による活動なども対象となるため、注意してください。
固定資産税はどうやって決まる?
固定資産税は、適正な時価とされている固定資産評価額にもとづいて決まります。
固定資産評価額は、総務大臣によって定められた固定資産評価基準にもとづき決定される価額です。土地・建物は3年に1度、償却資産は毎年評価替え(見直し)がおこなわれます。
土地の場合、評価額のめやすは地価公示価格等の7割です(※)。
固定資産税額の具体的な計算方法を以下で解説します。
- 地価公示価格とは、地価公示法にもとづき国土交通省が発表する毎年1月1日時点の標準地の正常な価格のことです。
固定資産税の計算方法
固定資産税は、以下の計算式で算出されます。
固定資産税額=課税標準額×1.4%
課税標準額とは、固定資産税額を算出するもとになる価額です。
建物の場合、原則として固定資産税評価額と課税標準額は一致します。しかし、土地の場合は、減額措置が適用されれば固定資産税と比べて大きく下がることもあります。土地には、「住宅用地に対する課税標準の特例措置」が設けられているためです。
住宅用地は、税負担軽減の必要性から面積が200㎡以下の場合は課税標準額が6分の1、200㎡を超える場合は、超えた部分の課税標準額が3分の1になります。
また、評価額が急激に上昇した土地などの場合、納税者の負担を和らげるために課税標準額を調整する負担調整措置も設けられています。
なお、固定資産税額は課税標準額に1.4%をかけて計算しますが、自治体が条例により異なる税率を定めている場合があるため、一律1.4%とは限りません。
なお、納税額は毎年4~6月頃に届く納税通知書に記載されているため、納税の際に自分で固定資産税を計算する必要はありません。
固定資産税が払えないとどんなことが起きる?
固定資産税を納付期限までに払えなかった場合、督促状が送付されます。督促状が届いたら、早急に納税しなくてはいけません。また、固定資産税を払えないと以下のようなリスクがあります。
- 延滞金の支払いを求められる
- 資産が差し押さえられる
- 競売にかけられる
延滞金の支払いを求められる
一定期間内に固定資産税を払えない場合、納付期限の翌日から納付した日までの日数に応じて延滞金が発生します。延滞金額の計算式は、以下のとおりです。
延滞金額=固定資産税額×延滞税の割合×延納した日数÷365
上記の計算式のとおり、延滞金は日割りで計算されるため、支払いが遅れるほど金額が大きくなります。
延滞税の割合は、納税期限の翌日から1ヵ月を経過する日までは原則年7.3%、納税期限の翌日から1ヵ月を経過した日から納付した日までの期間は、原則14.6%です。
ただし、延滞税の割合は期間によって異なる場合もあるため、自治体のホームページなどで確認しましょう。
資産が差し押さえられる
固定資産税を払えないと、最初に納付催告書や督促状が届きますが、その後も払えない場合は身辺調査や財産調査が入ります。
法律(地方税法)上では、「督促状を発送した日から10日以内に納税しない場合は滞納者の財産を差し押さえること」と定められているため、督促状が届いたら早急に納税しなければなりません。
払えないままでいると、最終的には資産が差し押さえられ、滞納した税金の支払いに充てられます。
差し押さえの対象となるのは、給与や預貯金、不動産、自動車、生命保険契約など、換価により税金の支払いに充てられるものすべてです。
なかでも、比較的差し押えのしやすい給与や預貯金が最初に差し押えの対象となることが一般的です。給与が差し押さえられると、自由に使えるお金が減るだけでなく勤務先にも通知が送付されます。
固定資産税の滞納が知られると、勤務先からの信用を失うおそれもあるでしょう。
競売にかけられる
資産の差し押えをしても滞納が解消されず、長期にわたり払えない場合は、不動産が競売にかけられてしまう可能性があります。
競売は正式には公売といい、滞納者が税金を払えない場合に差し押さえた財産をオークションなどの方法により売却し、金銭に換えて滞納国税に充てる手続です。
競売にかけられると、一般的に売却するよりも低い価格で売却されます。また、退去を余儀なくされ自宅を失うことになります。
固定資産税を払えないときの対処法
固定資産税を払えない際に最も避けるべきなのは、納税しないまま放置することです。前章のとおり、固定資産税を払えないと最終的には資産の差し押えや競売にかけられるリスクがあります。
固定資産税が払えないと分かった時点で、なるべく早く以下の方法を検討しましょう。
自治体に相談をする
納付期限までに固定資産税を支払うことが難しいと分かった時点で、自治体に相談しましょう。自治体に払えない旨を相談すれば、以下の対応をしてもらえる可能性があります。
- 固定資産税の分納
- 固定資産税の徴収猶予
- 固定資産税の減免
- 換価の猶予
固定資産税の分納
一度にまとまった金額を支払うことが難しい場合は、「分納」の措置を受けられる可能性があります。分納とは、名前のとおり「分けて納める」ことです。
固定資産税は、原則一括払いか4回払いで納めます。しかし、生活の状況などから期限内の納付が難しいと認められた場合は、支払いを各月に変更できる可能性があります。1回あたりの金額が下がるため、納税の負担軽減が可能です。
ただし、本来の納付期限が変わるわけではないため、分納中も延滞金は加算されます。
固定資産税の徴収猶予
固定資産税を払えない特別な事情がある場合には、1年間の「徴収猶予」を受けられる可能性があります。猶予を受けられるのは、以下のようなケースです。
- 天災・火災や盗難などに遭った
- 病気にかかった、または負傷した
- やむを得ず事業を廃止・休止した
- 事業で著しい損失を受けた など
また、徴収猶予を受けている期間中は、延納金の全部または一部が免除されます。財産を差し押さえられることもないため、生活の立て直しに時間を費やすことが可能です。
固定資産税の減免
特別な事情がある場合、固定資産税が軽減・免除される可能性もあります。減免を受けられるのは、災害の被害を受けた場合や生活保護を受けることになった場合などです。
減免割合は、減免の事由や状況、自治体などによって異なります。詳しくは、お住まいの自治体のホームページなどで確認しましょう。
換価の猶予
換価の猶予とは、不動産などを既に差し押さえられている、もしくは今後、差し押さえの対象となる可能性がある場合に一定期間差し押さえを猶予してもらうことです。
猶予の申請期限は納付期限から6ヵ月以内のため、自治体が定める基準を確認し、該当する場合は早めに相談しましょう。
家を売却する
継続的に固定資産税の支払いが難しい場合や、将来的に払えなくなってしまうおそれがある場合は、家の売却も検討しましょう。
家の売却後、住む場所に困ってしまう場合は、リースバックを利用するのも選択肢のひとつです。
リースバックとは、家を売却した後もその家を借りて住み続けられるサービスで、住み慣れた家でそのまま暮らせる点が大きなメリットです。
しかしデメリットとして、以下のような点があるので注意しましょう。
- 売却価格が市場価格より低くなる傾向にあること
- 家の所有権がなくなること
- 家賃の支払いが発生すること
固定資産税について知っておきたいポイント
固定資産税の納税に関して、以下3つのポイントをおさえておきましょう。
- 遺産分割中でも固定資産税はかかる
- 固定資産税は金銭での支払いが原則
- 固定資産税は現金以外にも電子マネーやQRコード決済、クレジットカード決済も可能
固定資産の所有者が亡くなり、遺族で遺産分割協議をしている間も固定資産税は課されます。亡くなった方に未払いの固定資産税がある場合、納税は相続人の義務です。
遺産分割協議中は相続人全員に固定資産税の支払い義務が発生し、相続する固定資産を取得する人が決まると、その人が固定資産税を納税義務者となります。
なお、固定資産税は原則として金銭で納めなければならず、物納は認められていません。ただし、現金だけでなく電子マネーやQRコード決済、クレジットカード決済なども可能です。自治体により対応している決済方法が異なるので、事前に確認しましょう。
一時的にお金がなく固定資産税が払えない場合はカードローンも検討
一時的にお金が足りず、固定資産税を払えない場合は、カードローンを利用するのも手段のひとつです。
消費者金融系カードローンなら最短即日融資に対応しているカードローンもあるため、固定資産税の納付期限がせまっている場合にも対応できる可能性があります。
レイクは、Webからのお申込みで21時(日曜日は18時)までに審査・必要書類の確認を含むご契約手続きが完了した場合、最短25分でお借入れが可能なカードローンです。ただし一部金融機関および、メンテナンス時間等を除きます。
カードローンの利用は支払いの見通しが立っている場合にのみ、ご検討ください。支払いの見通しが立っていない場合は、早めに自治体に相談することが大切です。
カードローンを利用する場合は、事前に返済計画を立てたうえでご利用ください。
カードローンを利用する際の注意点
カードローンは、ご利用限度額の範囲内で繰り返しお借入れが可能です。このようなカードローンの特性上、ご利用の際には次の3点にご注意ください。
- 返済計画を立てる
- 金利や無利息期間などの契約内容を確認する
- 余裕がある場合は多めの金額を返済する
以下で詳しく解説します。
返済計画を立てる
お金を借りると返済がはじまります。借りる前に無理のない返済計画を立てておくことが重要です。毎月無理なくご返済できる金額はどのくらいなのか、いつまでに完済するのか計画を立ててから、カードローンにお申込みください。
また、カードローンはほかのローンとは異なり、ご利用限度額の範囲内で繰り返しお借入れが可能です。追加でお借入れすると毎月のご返済額やご返済期間が変わることもあるため、その都度、返済計画を立て直すことが大切です。
カードローン会社の公式サイトには、返済シミュレーション機能があります。
レイクの場合、「ご返済シミュレーション」でご返済額やご返済回数をシミュレーションしていただけます。ご希望契約額の入力と無利息期間を選択すれば、毎月のご返済額とご返済回数が試算できます。
毎月のご返済額から検討可能お借入れ額を調べることもできます。ぜひご活用ください。
- このシミュレーションでの試算結果は参考値です。実際のご返済内容とは異なる場合があるので、あくまでもめやすとしてご確認ください。
金利や無利息期間などの契約内容を確認する
カードローンをご利用の際は、必ず金利やご利用限度額などのご契約内容をご確認ください。また、無利息サービスをご利用の場合は、いつまで適用されるのか無利息期間もご確認ください。
レイクでは、はじめてご契約するお客さま限定で、ご都合にあわせていずれかの無利息サービスをお選びいただけます。
- 60日間無利息(Web申込み限定)
- 30日間無利息
- 5万円まで180日間無利息
ご都合にあわせて無利息期間を選択いただけますので、ご自身に適用される無利息期間を確認し、ぜひ有効活用してください。
ご自身の借り方によって、どの無利息期間を選べば利息のご負担が軽くなるか調べられる「無利息診断」もございます。
なお、レイクの無利息期間開始日は「ご契約日の翌日から」となります。「お借入れ日の翌日から」ではありませんのでお気をつけください。
無利息期間中にもご返済日があります。会員ページでご返済日をご確認いただき、ご返済に遅れないようご注意ください。
余裕がある場合は多めの金額を返済する
家計に余裕がある場合は、多めの金額をご返済いただくことで利息が少なくなり、返済総額も減ります。カードローンの利息は、以下の計算式で算出します。
利息=お借入れ額×貸付利率(年率)÷365日(うるう年は366日)×お借入れ日数
上記の式から分かるとおり金利の高さだけでなく、お借入れ額が多いほど利息額が増え、ご返済総額も多くなります。
利息の負担を減らすためにも、余裕がある場合は約定返済額よりも多めの金額をご返済ください。
まとめ
固定資産税とは、土地や建物などの固定資産に課される地方税です。固定資産税を払えないと、納付期限の翌日から延滞した日数に応じて延滞金が発生します。
払えないまま放置すると、最悪の場合、資産を差し押さえられたり競売にかけられたりするおそれもあります。
固定資産税を払えない場合は、早めに自治体に相談することが大切です。自治体に相談すれば、分納や徴収猶予などの対応をとってもらえる可能性があります。
監修者:
松崎 観月
プロフィール:
大学卒業後、金融機関にて個人営業を担当し、資産運用の相談・保険販売などを経験する。退社後、CFP認定を取得。現在は金融に関する記事の執筆・監修を行う。これまでに執筆した記事は500本を超える。
資格情報:
CFP®、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、日商簿記検定2級