利息とは?
金利・利子・利回りとの違いや計算方法など解説
公開日:2022年6月24日
カードローンなどのローンを利用する際、借りた側は貸した側に手数料を支払います。この手数料に相当するのが「利息」です。
利息が多いということは、返済の負担が大きくなることを意味します。事前の返済計画をしっかりたてるために、あらかじめ利息がいくらになるのか把握しておくことが大切です。
この記事では、利息の概要や計算方法について解説します。
金利や利子、利回りなど、ほかの混同しやすい言葉についても紹介します。
利息とは借り入れした際に支払う利用料のこと
利息とは、借り入れした金額に対する利用料として、借りた人(ローン契約者)が貸した人(金融機関など)に支払う金額のことです。
利息は、金利と借入れ額、借入れ期間によって決まります。借入額が大きいほど、それだけ利息の負担は大きくなります。また、返済期間が長くなるほど、利息負担が大きくなります。以上のことから、借入額や返済期間がどのくらいになるかを事前に計算して利息を含めた返済額を把握することが大事です。また、低金利のローンを選ぶことや、早めの完済を心がけることも大切です。
利子、金利、利回りとの違い
利息と混同しやすい言葉として、利子や金利、利回りがあります。カードローンなどのローンを利用する際は、これらの違いを知っておくことが大切です。
ここからは、それぞれの概要について詳しく紹介します。
利子とは
利子とは、基本的には利息と同じ意味を指す言葉です。いずれも、元本に金利や期間をかけて求めることができます。
慣用的に、利子は貯金などに対して発生するので「受け取れるもの」、利息は借入れなどに対して発生するので「支払うもの」と使い分けます。
そのため、ローンで支払う手数料を「利子」と呼ぶことはあまりありません。あくまでもローンで支払う手数料は「利息」です。
金利とは
金利とは、利息や利子を計算するときに用いる割合のことです。
通常は、元本に対する1年間の利息の割合を示します。例えば10万円を、金利18.0%(実質年率)で借りた場合、1年後に返済する金額は11万8千円となり、利息は1万8千円です。
- うるう年以外のときの計算式です。うるう年のときは366日で計算します。
また100万円を金融機関に預け、その際の金利が年0.02%だった場合、1年間預けると、200円(100万円×0.02%)の利子を受け取れるということになります。
- うるう年以外のときの計算式です。うるう年のときは366日で計算します。
利回りとは
利回りとは、1年間で利子がどの程度発生しているか示す割合のことです。
例えば、10万円を定期預金に預け、1年後に預けた元金に加えて1万円を受け取った場合、利回りは年10.0%(1万円÷10万円×100)と計算できます。
ちなみに、利回りを計算するときに知っておきたい考え方として、「単利」と「複利」があります。
単利とは、元金に対してのみ利子が発生することです。対して複利は、元金と利子を合算した金額に利子が発生します。
例えば10万円を年利回り10.0%の預金に預けたとしましょう。単利計算と複利計算いずれの場合も、1年後には1万円の利子が発生します。
ただし、2年目以降の場合、単利と複利で利子が異なります。
単利計算の場合、2年目も1万円の利子となります。しかし、複利計算の場合、2年目は11万円(元金10万円+1年目に発生した利子1万円)に10.0%の割合となるため、利子は1万1千円です。
このように、預入れ期間が長くなるほど、複利で得られる利子は多くなります。
キャッシングやカードローンでかかる利息はどのくらい?
クレジットカードのキャッシングやカードローンでは、各社が設定している金利に基づいて、利息が計算されます。
金利は金融機関によって異なりますが、利息制限法で定められた上限金利に基づいて、決定されています。
利息制限法による上限金利について
利息制限法では、ローンの借入れ額やカードローンの利用限度額に対して以下の上限金利が定められています。
利用限度額 | 上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 年20.0%以下 |
10万円以上100万円未満 | 年18.0%以下 |
100万円以上 | 年15.0%以下 |
消費者金融や契約者の借入れ実績などによって、実際に適用される金利は異なりますが、上記を超えることはありません。
利息の計算方法
利息は、「借入れ額(利用残高)×金利(年利)÷1年の日数×借入れ日数」で計算できます。
例えば、30万円を年18.0%の金利で30日間借りた場合の利息は、以下の計算式より、4,438円と求められます。
- 30万円×18.0%÷365日(※1)×30日=4,438.35…
なお、上記の例では小数点以下が切り捨てられていますが、端数の処理はカードローン会社によって異なることがあります。
実際の利息については、利用するカードローン会社に直接問合せましょう。
- うるう年以外のときの計算式です。うるう年のときは366日で計算します。
カードローン会社の利息シミュレーションも活用しよう
利息は、「借入れ額(利用残高)×金利(年利)÷1年の日数×借入れ日数」で計算できます。
ただし、多くのカードローンでは、まとめて借りて毎月少額ずつ返済することが一般的であるため、返済する度に利用残高が変わります。
返済するたびに計算の元となる借入れ額(利用残高)が変わり、それに応じて利息も変わるため、正確に計算することは容易ではありません。
特にカードローンは、任意のタイミングでも返済でき、利息も頻繁に変わります。また、追加で借入れをした際も利息が変わります。
正確な利息を知りたい場合は、各カードローン会社のホームページで公開している利息のシミュレーションを活用しましょう。
レイクでは、簡単に毎月の返済額やお利息をシミュレーションできる「ご返済シミュレーション」をご利用いただけます。
さらに、毎月無理なく返済できる金額から、利用限度額の参考値を逆算することも可能です。ぜひシミュレーションして、無理のないご返済にお役立てください。
なお、すでにご契約中のカードローンがある場合には、会員ページや利用明細書で利息を調べることができます。
返済したときや追加借入れをしたときなどのタイミングでこまめに利息をチェックし、計画的にカードローンを利用しましょう。
まとめ
利息とは、借りた側が貸した側に支払う手数料のことです。ローンを利用したときには、借りた元金に利息を加えて返済します。
利息は「借入れ額(利用残高)×金利(年利)÷1年の日数×借入れ日数」で計算できます。計算式は簡単ですが、カードローンのように借入れ・返済を繰り返せるローンでは、頻繁に借入れ額(利用残高)が変わるため、正確な利息を計算することは困難です。
カードローンを利用する際は、各カードローン会社のホームページで公開している返済シミュレーションなどを活用し、利息を確認しましょう。
借入れ状況を正確に把握すると、より計画的にカードローンを利用できるようになります。無理のない返済を行うためにも、借入れ状況はもちろん、借りる際の契約内容にも留意するようにしてください。
監修者:
新井 智美
プロフィール:
コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)のほか、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に、金融メディアへの執筆および監修にも携わっている。現在年間300本以上の執筆及び監修をこなしており、これまでの執筆及び監修実績は2,000本を超える。
資格情報:
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員