カードローンの信用情報とは?
登録される内容や問題があると
判断されないためのポイントをご紹介
更新日:2024年11月14日
公開日:2022年7月29日
カードローンに申込むと、信用情報機関に情報が照会されます。また、カードローンを利用したときは信用情報機関に情報が登録されます。
本記事では、信用情報機関にはどのような情報が登録されているのか解説します。信用情報に問題があると判断されないために、上手にカードローンを利用しましょう。
そもそも信用情報とは?
信用情報とは、クレジットカードやローンの申込み、契約に関する情報のことです。クレジットカード会社やカードローン会社では、信用情報を参考にして申込みした方へカードの利用を認めるかを判断します。
信用情報は信用情報機関に登録されています。クレジットカード会社やローン会社がそれぞれ信用情報機関に加盟しており、申込んだ方や利用している方の信用情報の確認をおこなっています。
信用情報機関は3つ
信用情報機関には、株式会社日本信用情報機構(JICC)、株式会社シー・アイ・シー(CIC)、全国銀行個人信用情報センター(KSC)の3つの機関があります。それぞれの機関について以下で詳しく解説します。
株式会社日本信用情報機構(JICC)
株式会社日本信用情報機構(JICC)とは、信用情報の収集や登録、管理などに関する事業をおこなう会社です。
貸金業法や割賦販売法に基づく登録業者や信用保証業者、リース業者などが会員となり、JICCは会員の請求に応じて個人や法人の借入れに関する情報を提供し、会員がおこなう与信判断をサポートしています。
また、JICCは会員以外の個人に対しても、請求に応じて信用情報を提供しています。ただし、この場合は請求者自身の情報のみに限られ、ほかの個人に対する信用情報は提供しません。
株式会社シー・アイ・シー(CIC)
株式会社シー・アイ・シー(CIC)とは、クレジット会社の共同出資により設立された信用情報機関です。主に割賦販売や消費者ローンに関わる企業を会員とし、会員の請求に応じて個人の借入れに関する情報を提供しています。
また、CICでも会員以外の個人に対して、信用情報を提供することがあります。この場合はJICCと同じく請求者自身の情報のみを提供し、ほかの個人に対する信用情報は提供しません。
全国銀行個人信用情報センター(KSC)
全国銀行個人信用情報センター(KSC)は、銀行業務の円滑化や消費者保護を目的とした活動をおこなう団体です。主に銀行や信用金庫、信用組合、農業協同組合などが加盟しています。
KSCでも、会員の請求に応じて個人の借入れに関する情報を提供したり、個人の請求に応じて自身の信用情報を提供したりしています。
また、詐欺の手口などの情報を公開するなど、金融犯罪のない安心できる社会の実現を目指した取組みも実施しています。
カードローンを利用すると信用情報には何が記録される?
カードローンを利用すると、信用情報機関には主に以下の情報が記録されます。
登録情報の種類 | 信用情報機関に記録される内容 |
---|---|
個人を特定する情報 |
|
申込みに関する情報 |
|
契約に関する情報 |
|
支払い状況に関する情報 |
|
また、信用情報機関への登録情報と登録期間は、各信用情報機関のホームページで確認いただけます。
信用情報はいつまで残る?
JICC | CIC | |
---|---|---|
申込みに関する情報 | 照会日から6ヵ月以内 | 照会日より6ヵ月間 |
延滞 |
契約日2019/9/30以前
契約継続中及び完済日から5年を超えない期間
契約日2019/10/1以降
契約継続中及び契約終了後5年以内
|
契約期間中および契約終了後5年以内 |
保証履行 |
契約日2019/9/30以前
当該事実の発生日から5年を超えない期間
契約日2019/10/1以降
契約継続中及び契約終了後5年以内
|
契約期間中および契約終了後5年以内 |
KSC | |
---|---|
取引情報 | 契約期間中および契約終了日(取引情報の完了区分発生日)から5年を超えない期間 |
不渡情報 | 第1回目は不渡り発生日から6ヵ月を超えない期間、取引停止処分は取引停止日から5年を超えない期間 |
官報情報 | 破産・民事再生手続開始決定の日(官報情報の官報公告区分発生日)から10年を超えない期間 |
本人申告情報 | 申告日から5年を超えない期間 |
照会記録情報 | 照会日から1年を超えない期間(ただし、会員への回答は6ヵ月を超えない期間) |
信用情報に問題があるとどうなる?
「信用情報に問題がある」とは、信用情報機関に延滞や破産などの好ましくない情報が登録されることをさします。
カードローンやクレジットカードに申込むと、カードローン会社やクレジットカード会社は加盟している信用情報機関に情報を照会するため、延滞や破産などの記録があれば知られることになります。
各会社では、信用情報の照会は審査の一環としておこないます。そのため、信用情報の内容が審査結果にも影響を与えると考えられます。
下記記事では、カードローン審査の流れや内容について解説していますので、あわせてご覧ください。
また、カードローン会社やクレジットカード会社では、定期的に利用者の信用情報を信用情報機関に照会することがあります。
延滞や保証履行などの記録が信用情報機関に登録されていると、既に利用中のカードローンやクレジットカードにも影響を及ぼす可能性があります。
カードローンの利用で信用情報に問題があると判断されるケース
カードローンの利用で信用情報に問題があると判断されるケースとしては、次の状況が挙げられます。
- カードローンの支払いを延滞した
- カードローンを返済できず債務整理をおこなった
- カードローンを返済できず保証履行がおこなわれた
- カードローンを強制解約された
それぞれどのような状況をさすのか、分かりやすく解説します。
カードローンの支払いを延滞した
返済に遅れると、信用情報機関に延滞として登録されます。また、返済に遅れると遅延損害金が発生するため、返済金額の負担が増える点にも注意しましょう。
カードローンを返済できず債務整理をおこなった
返済できず自己破産や任意整理などをしたときも、情報が登録されます。
たとえば、JICCであれば債権回収や債務整理、破産申立に関しては、契約継続中および契約終了後5年を超えない期間は情報が登録されます。
また、債権譲渡に関しては、債権譲渡が発生した日から1年を超えない期間は情報が登録されます(※)。
CICでは、破産の有無について、契約期間中および契約終了後5年間は情報が登録されます。債務整理に関する情報が信用情報機関に登録されているときは、新規お借入れの審査に響くと考えられるでしょう。
- 契約日2019/10/1以降の場合
監修者:古関 俊祐
債務整理は、返済が困難になった際に生活を立て直す手段として有効です。一般的には、債務整理を弁護士や司法書士に依頼した段階で信用情報に登録されるものです。
そのため、弁護士や司法書士への相談だけであれば信用情報に登録されることはありません。返済に困った際は、信用情報への登録を心配しすぎず、まず専門家へ相談することを検討しましょう。
カードローンを返済できず保証履行がおこなわれた
返済できずに保証会社などが代わりに返済をしたとき(保証履行)も、信用情報機関にその情報が登録されます。
CICやJICCでは利用中と契約終了後の5年を超えない期間、情報が残るため、情報が残っているときに新しくクレジットカードやカードローンに申込むと、審査に響くと考えられます。
カードローンを強制解約された
返済できず、カードローン会社やクレジットカード会社から強制的に契約を解消された場合も、信用情報に記録されます。
たとえば、JICCでは強制解約の情報は、契約終了後5年を超えない期間において登録されます。カードローンやクレジットカードに新規で申込むと、申込み先は強制解約の事実を知ることになるでしょう。
カードローンの利用で信用情報に問題があると判断されない方法
ローンやクレジットカードを利用している限り、信用情報と無縁ではいられません。正しい使い方をすることが、信用情報に問題があると判断されないことにつながります。
信用情報に問題があると判断されないためにカードローンやクレジットカードを利用する方法として、いくつか具体的なポイントを紹介します。
- カードローンの返済日を守る
- 他社からのお借入れ額/お借入れ件数を減らす
- 信用情報は開示請求ができる
それぞれのポイントについて、分かりやすく見ていきましょう。
カードローンの返済日を守る
返済日に遅れると、延滞情報が信用情報機関に登録されます。
たとえば、JICCでは入金予定日や延滞について、CICでも入金履歴や延滞についての情報を登録しています。返済日に遅れてしまうと、その記録が一定期間残る点に注意しましょう。
決まった期日までに返済することは、カードローンやクレジットカードを利用するうえで基本となります。どうしても返済が難しいときは、金融機関に早めに相談するようにしましょう。
カードローンの返済期日に遅れる場合に生じるリスクや対処法について、下記記事でも解説していますので参考にしてください。
他社からのお借入れ額/お借入れ件数を減らす
JICCでは貸付金額や残高金額、CICでも契約額(極度額)や残債額についての情報が記録されます。
消費者金融系カードローンやクレジットカードのキャッシングでは総量規制により年収の3分の1を超える貸付は制限されているため、残債額が多いと、借りられる金額が減ったり、借りられなかったりすることがあるでしょう。
また、JICCやCICでは利用者が契約している借入れ会社についての情報も登録されています。お借入れ件数が多いと、利用者自身が返済を管理しにくくなり、返済遅れも生じるかもしれません。できれば1つにまとめると、返済を管理しやすくなるでしょう。
監修者:古関 俊祐
信用情報に延滞や債務整理などのマイナスの情報を残さないために返済日を守ることを優先するあまり、他社からお借入れをして返済をするのは「自転車操業」といわれる状態を意味します。
信用情報にマイナスの情報を残さないようにする第一歩は、きちんとご自身の収入だけで返済を続けられるように返済計画や利用計画を立てることです。
ローン申込時にも他社からのお借入れ状況を申告する必要がありますが、その理由や対象となるお借入れについて下記記事で詳しく解説しています。
信用情報は開示請求ができる
ご自身の信用情報が気になるときは、信用情報機関に開示請求できます。なお、開示請求には手数料がかかります。
JICC | CIC | KSC | |
---|---|---|---|
信用情報の開示請求の方法 |
|
|
|
信用情報の開示請求の方法 | |
JICC |
|
---|---|
CIC |
|
KSC |
|
信用情報の開示方法について、下記記事で詳しく解説していますのでぜひ参考にしてください。
まとめ
クレジットカードやカードローンを利用している方は、返済日までに返済していれば信用情報に問題があると判断されることはありません。きちんと返済できるように、計画を立ててからカードローンに申込むようにしましょう。
監修者:
古関 俊祐
プロフィール:
東京都江戸川区出身。中央大学法学部卒。弁護士登録後から大手法律事務所にて消費者金融、銀行ローン各社との債務整理、過払金請求事件を多数取り扱い、現在も多くの依頼者からの相談を受けている。これまでの債務整理案件の取扱い実績は数百件に上る。また、債務整理案件だけでなく、保険や不動産など財産にまつわる問題、離婚や相続といった家庭内の問題などさまざまな問題について手広く対応し多角的視点から問題解決を図るプロフェッショナルとして活躍している。現在は、地元である東京都葛飾区の新小岩駅前にて弁護士法人新小岩法律事務所の代表弁護士として活動している。
資格情報:
弁護士