借金救済制度の種類や利用するメリット・デメリット、よくある質問を紹介!
公開日:2026年6月29日
インターネットなどで「国が認めた借金救済制度」という表現を見ることがあります。「借金救済制度を使うとどうなる?」「本当に借金が減るの?」などと気になっている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、借金救済制度の種類や具体的な手段、利用するメリット・デメリットを解説します。
国が認めた借金救済制度とは
借金救済制度とは、借金で悩んでいる方を救済するための制度のことで、主に債務整理や過払い金返還請求をさします。
インターネットなどで目にする「国が認めた借金救済制度」は、宣伝のための文言で、実際に「借金救済制度」という名称の制度があるわけではありません。
借金救済制度を利用すると、債権者(金融機関)との交渉や裁判所での手続きによって、借金が減額されたり、免除されたりする可能性があります。
借金救済制度の対象となるもの
金融機関や個人からのお借入れのほとんどは、借金救済制度の対象です。一方で、国や自治体に納める義務があるものなどは、借金救済制度の対象になりません。
| 借金救済制度の対象になるもの |
|
|---|---|
| 借金救済制度の対象にならないもの |
|
- 悪意をもって加えた不法行為や、故意または重大な過失によって加えた人の生命または身体を害する不法行為に基づく賠償金・慰謝料
借金救済制度の種類・仕組み
借金救済制度の具体的な手続きには、大きく債務整理と過払い金請求があります。また、債務整理の方法は、主に「任意整理」「特定調停」「個人再生」「自己破産」の4種類です。
5つの手続きについて、それぞれご紹介します。
債務整理の方法① 任意整理
任意整理とは、裁判所を通さずに当事者間の話し合いによってご返済方法を和解する方法です。債務者から依頼を受けた弁護士や司法書士が債権者(金融機関)と話し合い、利息のカットや分割返済を直接交渉します。
あくまでも任意の話し合いによって借金を整理する方法であり、法的な拘束力がないため、多くの場合、元金は減額されません。
一方で、個人再生や自己破産と比べて手続きが簡易的で、費用を抑えられることが特徴です。
債務整理の方法② 特定調停
特定調停とは、裁判所が債務者と債権者の間に入り、借金の整理を仲介する方法です。弁護士や司法書士に依頼することなく、ご自身で申し立てをおこなって手続きを進められるため、費用を抑えられます。
また、裁判所に選任された調停委員が仲介するため、公正かつ妥当な調整が期待できることが特徴です。
ただし、成立した返済計画どおり返済できなければ、給与などを差し押さえられる可能性があります。
債務整理の方法③ 個人再生
個人再生とは、弁護士や司法書士を通じて裁判所に申し立て、借金を減額してもらう方法です。
任意整理や特定調停と比べて費用や時間がかかりますが、ご自宅や自動車、生命保険などの財産を残したまま、借金を最大5分の1~10分の1程度まで減額してもらえます。減額された借金は、原則 3年間で分割して返済します。
個人再生は、給与などの定期収入があり、お借入れ額や件数が多い場合に適した方法です。
債務整理の方法④ 自己破産
借金を返済できる見込みがない場合、自己破産を検討することになります。
自己破産とは、弁護士や司法書士を通じて裁判所に申し立て、すべての債務の支払いを免除してもらう手続きです。裁判所による免責の許可が下りると、返済の義務がなくなり、借金から解放されます。
ただし、ギャンブルや投資など、自己破産の原因によっては免責許可が下りない可能性があります。
過払い金請求
過払い金請求とは、過去に「グレーゾーン金利」で返済し、払いすぎた利息の返還を求める手続きです。
お借入れの際の金利は、「利息制限法」によって年率15.0%~年率20.0%が上限と決まっています。
| お借入れ額 | 上限金利 |
|---|---|
| 10万円未満 | 年率20.0% |
| 10万円以上100万円未満 | 年率18.0% |
| 100万円以上 | 年率15.0% |
また、「出資法」で定められている上限金利は、お借入れ額にかかわらず年率20.0%です。
しかし、2010年6月17日以前は、出資法で年率29.2%が上限金利として定められており、出資法と利息制限法の上限金利の間の金利帯(グレーゾーン金利)でも、一定の条件を満たせば有効でした。
過去にグレーゾーン金利でご返済した方は、過払い金請求によって利息制限法上の金利で再計算してもらえば、返還された利息を借金の返済に充てることで借金を減らせる可能性があります。
なお、過払い金を請求できるのは、完済してから10年(または過払い金を請求できることを知ってから5年)以内です。
借金救済制度を利用するメリット
手続きの種類によっても異なりますが、借金救済制度を利用すると主に以下のメリットが得られます。
- 借金の減額や支払いの免除を受けられる
- 督促から解放される
- 弁護士や司法書士に交渉や手続きを任せられる
借金の減額や支払いの免除を受けられる
借金救済制度を利用する第一のメリットは、借金の減額や支払いの免除を受けられることです。
任意整理や特定調停は、利息のカットによってご返済額を減らせる可能性があります。また、個人再生は借金を大幅に減額でき、自己破産は借金の支払いが免除されます。
借金の減額や支払いの免除を受けることで、借金返済のストレスが軽減され、生活を再建しやすくなるでしょう。
督促から解放される
債務整理を依頼すると、依頼を受けた弁護士や司法書士が債権者に「受任通知」を送付し、督促や取り立ての停止を求めます。
債権者が受任通知を受け取った後は、金融機関からの督促や取り立てが止まるため、精神的な負担が軽減されるでしょう。
貸金業法では取立て行為の規定が定められており、違反した貸金事業者は2年以下の懲役または300万円以下の罰金が科せられます。
弁護士や司法書士に交渉や手続きを任せられる
借金救済制度を利用する際、弁護士や司法書士などの専門家に依頼すれば適切な手段を選択でき、交渉や手続きも任せられます。
借金救済制度には複数の手段があり、それぞれメリット・デメリットがあるため、ご自身だけで適切な手段を選ぶのは難しいでしょう。また、債権者との交渉や裁判所での手続きには、専門的な知識が必要です。
専門家に任せれば、精神的な負担が軽減されるだけでなく、交渉が有利に進むことが期待できます。
借金救済制度を利用するデメリット
借金救済制度を利用すれば、ご返済の負担が軽減され、借金問題が大きく改善される可能性があります。しかし、借金救済制度にはデメリットもあります。手続きの方法によっても異なるため、十分に理解したうえで選択しましょう。
- 弁護士費用や申立費用が発生する
- 信用情報に異動情報として登録される
- 個人再生や自己破産をおこなうと官報に掲載される
- 自己破産する場合は財産を失う可能性がある
弁護士費用や申立費用が発生する
借金救済制度を利用するためには、弁護士に依頼するための費用や裁判所への申立費用がかかります。費用のめやすは以下のとおりです。
| 借金救済制度の種類 | 費用のめやす |
|---|---|
| 任意整理 | 1社あたり3万円~15万円程度 |
| 特定調停 | 1,000円程度 |
| 個人再生 | 35万円~100万円程度 |
| 自己破産 | 35万円~130万円程度 |
| 過払い金 | 10万円程度 |
比較的費用を抑えられるのは、任意整理や特定調停です。任意整理は、裁判所を通さずに債権者と直接交渉するため、弁護士費用のみがかかります。
また、特定調停は、ご自身で裁判所に申し立てをおこない、手続きを進められるため、弁護士費用がかかりません。1,000円程度の費用で済むため、比較的利用しやすい手続きだと言えるでしょう。
一方、個人再生や自己破産は費用が高額になる傾向があります。ただし、上記はあくまでも一例であり、実際の費用は依頼する専門家などによって異なります。
信用情報に異動情報として登録される
債務整理をおこなうと、信用情報に異動情報として一定期間登録されます。
信用情報とは、ローンやクレジットのご契約やお申込み、ご返済などの取引事実を登録した個人情報です。異動情報が登録されている間は、クレジットカードやローンのご契約が困難になる可能性があります。
登録される情報の種類や期間は信用情報機関によって異なるため、各機関のホームページをご確認ください。
下記記事では、信用情報に登録される内容について詳しく解説していますので、参考にしてください。
また、下記記事では、自身の信用情報を確認したい方に向けて、信用情報期間への開示請求方法について詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
個人再生や自己破産をおこなうと官報に掲載される
債務整理のうち、個人再生または自己破産をおこなうと、官報に名前や住所が記載されます。
官報とは、国の法令や公示事項を国民に周知するための公報です。誰でも閲覧できますが、一般の方が見る機会はほとんどないため、官報に掲載されても周囲の方に知られる可能性は低いでしょう。
自己破産する場合は財産を失う可能性がある
自己破産をおこなうと、債務者が有していた財産は生活に必要な一定のもの(自由財産)を除いて換金され、債権者に分配されます。そのため、ご自宅や自動車、有価証券、生命保険、貴金属などの財産を失う可能性があります。
また、破産手続き開始決定後は、一時的に一定の職業に就くことができません。
- 行政書士
- 警備員
- 司法書士
- 社会保険労務士
- 税理士
- 宅地建物取引士
- 弁護士など
ただし、裁判所による免責許可決定が確定したタイミングなどで、制限は解除されます。
借金に悩んでいる場合の相談先
借金に悩んでいる方や、どの借金救済制度を利用すべきか分からない方は、一人で悩まずに公的機関や専門家に相談しましょう。主な相談先は以下のとおりです。
| 相談先 | 概要 |
|---|---|
| 法テラス(日本司法支援センター) | 弁護士や司法書士との無料法律相談(3回まで無料)を利用できる |
| 財務局の多重債務相談窓口 | 全国に設置されており、多重債務に関して相談できる |
| 日本クレジットカウンセリング協会 | 多重債務に関して専門家による助言を受けられる(カウンセリングは無料) |
| 日本弁護士連合会 | 5,500円前後の相談料で弁護士に相談できる |
(日本司法支援センター)、
「多重債務対策について」
(金融庁)、
「カウンセリングの流れ」
(公益財団法人日本クレジットカウンセリング協会)、
「法律相談」
(日本弁護士連合会)
を加工して作成
なお、法テラスでは、弁護士や司法書士との無料法律相談で解決せず、依頼が必要な場合の弁護士・司法書士費用の立て替えもおこなっています。立替制度の対象となるのは、収入や資産が一定基準以下であるなどの条件を満たす方です。また、利用するためには審査が必要です。
借金救済制度に関するよくある質問
借金救済制度の利用による影響が心配な方や、「怪しいと言われるけれど本当はどうなの?」と気になる方もいるのではないでしょうか。
この章では、借金救済制度に関するよくある質問と回答をご紹介します。
借金救済制度を利用するとブラックリストに載る?
借金救済制度を利用すると、その事実が信用情報機関に事故情報として登録されます。「ブラック」とは、信用情報に異動情報が登録されている状態をさす俗語で、物理的な「ブラックリスト」が存在するわけではありません。
いわゆる「ブラックリスト」に載ると、一定期間はローンの契約やクレジットカードの更新ができないなどの影響が生じる可能性があります。
借金救済制度が怪しいと言われる理由は?
インターネットなどで見られる借金救済制度の広告には、簡単に借金を減額できるかのような過度な表現のものもあることから、怪しい制度だと誤解されることがあります。また、実際には借金救済制度という名称がないにもかかわらず、名称をつけてキャッチーに宣伝されているためかえって警戒を招いている場合も考えられます。
しかし、借金救済制度は法律に基づく手続きであり、減額や免除などによって借金問題の解決を図る正しい方法です。
悪質な業者を利用してしまうと、状況が悪化する可能性もあるため、信頼できる弁護士や司法書士に相談しながら進めることが大切です。
住宅ローンでも借金救済制度を使える?
住宅ローンでも借金救済制度を使えるかどうかは、選択する手続きによって異なります。
一般的に、ご自宅を残したまま住宅ローンを任意整理の対象に含めることはできません。任意整理をおこなおうとすると、金融機関が担保である住宅を売却して貸したお金の回収を図るためです。
ただし、任意整理は特定の債権者のみに交渉できるため、住宅ローン以外の借金だけを整理して返済負担を減らすことは可能です。
また、個人再生手続きでは、ご自宅を残したまま借金を整理できますが、自己破産の場合、ご自宅が処分される可能性があります。
各種ローンを利用する際の注意点
救済制度が必要になるような事態に陥る前に、計画的にローンを利用するよう心がけましょう。ローンの種類によって、お借入れやご返済の回数・タイミングなどのルールが異なります。ご利用の際には次の3点にご注意ください。
- 返済計画を立てる
- 金利や無利息期間などの契約内容を確認する
- 余裕がある場合は多めの金額を返済する
以下で詳しく解説します。
返済計画を立てる
お金を借りると返済が始まります。借りる前に無理のない返済計画を立てておくことが重要です。毎月無理なくご返済できる金額はどのくらいなのか、いつまでに完済するのか計画を立ててから、ローンにお申込みください。
なお、カードローンはほかのローンとは異なり、ご利用限度額の範囲内で繰り返しお借入れが可能です。追加でお借入れすると毎月のご返済額やご返済期間が変わることもあるため、その都度、返済計画を立て直すことが大切です。
カードローン会社の公式サイトには、返済シミュレーション機能があります。
レイクの場合、「ご返済シミュレーション」でご返済額やご返済回数をシミュレーションできます。お借入れ希望額の入力と無利息期間を選択すれば、毎月のご返済額とご返済回数が試算できます。
毎月のご返済額からお借入れ可能額を調べることもできます。ぜひご活用ください。
- このシミュレーションでの試算結果は参考値です。実際のご返済内容とは異なる場合があるので、あくまでもめやすとしてご確認ください。
下記記事では、カードローンの返済期日に遅れてしまいそうな場合の対処法や、返済計画を立てる際のポイントについて、詳しく解説していますので参考にしてください。
金利や無利息期間などの契約内容を確認する
ローンをご利用の際は、必ず金利やご利用限度額などのご契約内容をご確認ください。また、無利息サービスをご利用の場合は、いつまで無利息期間が適用されるのかもご確認ください。
レイクでは、Webでお申込み、はじめてご契約などの諸条件を満たしたお客さまは365日間の無利息サービスをご利用いただけます。
ご利用条件:Web申込み・はじめてのご契約、ご契約額が50万円以上(お借入れ額1万円でも可能)かつご契約後59日以内に収入証明書類の提出とレイクでの登録完了が必要
上記ご利用条件を満たさない方は60日間無利息または30日間無利息をご利用いただけます。
さらに、「1秒診断」では、簡単な項目を入力するだけで、お借入れが可能かどうかを事前に診断することも可能です。
なお、レイクの無利息期間開始日は「ご契約日の翌日から」となります。「お借入れ日の翌日から」ではありませんのでお気をつけください。
また、無利息期間経過後は通常金利が適用されます。
無利息期間中にもご返済日があります。会員ページでご返済日をご確認いただき、ご返済に遅れないようご注意ください。なお、ご返済が遅れた場合など、無利息期間が終了いたします。
金利の仕組みや利息の計算方法について、下記記事でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
余裕がある場合は多めの金額を返済する
家計に余裕がある場合は、多めの金額をご返済いただくことで利息が少なくなり、ご返済総額も減ります。ローンの利息は、以下の計算式で算出します。
利息=お借入れ額×貸付利率(年率)÷365日(うるう年は366日)×お借入れ日数
上記の式から分かるとおり金利の高さだけでなく、お借入れ額が多いほど利息の負担額が増え、ご返済総額も多くなります。
利息の負担を減らすためにも、余裕がある場合は約定返済額よりも多めの金額をご返済ください。
下記記事では、カードローンの一括返済の方法や注意点について詳しく解説していますので、参考にしてください。
まとめ
国が認めた借金救済制度は、主に債務整理(任意整理・特定調停・個人再生・自己破産)と過払い金請求をさします。
法律に基づき、借金の減額や免除などによって借金問題の解決を図る方法であり、怪しい制度ではありません。
借金救済制度の種類やメリット・デメリットを知り、専門家に相談しながらご自身に合った方法を検討しましょう。
監修者:
松崎 観月
プロフィール:
大学卒業後、金融機関にて個人営業を担当し、資産運用の相談・保険販売などを経験する。退社後、CFP認定を取得。現在は金融に関する記事の執筆・監修をおこなう。これまでに執筆した記事は500本を超える。
資格情報:
CFP®、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、日商簿記検定2級