総量規制とは?
対象外のローンや知っておくべき注意点を紹介
公開日:2022年11月17日
総量規制は、貸金業者による貸付け総額が借り手の年収の3分の1を超えてはならないというルールのことです。貸金業者からのお借入れを検討しているものの、総量規制を超えそうで不安な方もいるのではないでしょうか。
この記事では、総量規制の概要と対象のローン、注意点などを解説します。
年収にかかわらずお借入れできる可能性がある総量規制対象外のローンも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
総量規制とは?
総量規制とは、貸金業者に対して、利用者の年収の3分の1を超える貸付けを禁止する規制です。過度なお借入れで利用者が多重債務に陥るのを防ぐことを目的につくられたルールで、貸金業法で定められています。
総量規制が適用されるのは1社からのお借入れに対してではありません。貸金業者からのお借入れを合計した額が、年収の3分の1を超えられないルールになっています。
たとえば、年収が300万円の場合、貸金業者からお借入れできる合計額は原則100万円までです。A社・B社・C社からお借入れする場合、それぞれ100万円ずつお借入れできるわけではなく、3社合計で100万円までしか借りることができません。
なお、貸金業者とは、財務局または都道府県に登録をし、金銭の貸付けをおこなっている業者のことで、具体的には消費者金融やクレジットカード会社などが該当します。
ただし、クレジットカードで総量規制の対象となるのは、キャッシング枠の金額で、ショッピング枠の金額は総量規制の対象にはなりません。
総量規制対象のローン
総量規制の対象となるローンには、主に以下の2つがあります。
- 消費者金融のカードローン
- クレジットカードのキャッシング枠
消費者金融のカードローン
消費者金融のカードローンは、ご利用限度額の範囲内で繰り返しお借入れいただけるローンのことです。
消費者金融は貸金業者にあたるため、総量規制の対象です。そのため、既に貸金業者からのお借入れ総額が年収の3分の1に達している場合、新たにお申込みをしても審査には通過できません。
クレジットカードのキャッシング枠
クレジットカードのキャッシングとは、クレジットカードに付帯する現金を借りる機能のことです。
クレジットカード会社が貸金業者としてお金の貸付けをおこなうため、総量規制の対象となります。消費者金融のカードローンと同様に、利用限度額が総量規制の範囲を超える場合は、審査に通過できません。
なお、クレジットカードにはキャッシング枠のほかに通常の買い物に使えるショッピング枠があります。ショッピング枠には貸金業法が適用されないため、総量規制の対象にはなりません。ショッピング枠の分割払いやリボ払いには、「割賦販売法」が適用されます。
総量規制対象外のローン
総量規制の対象となるのは、貸金業者からのお借入れです。そのため、貸金業者以外からのお借入れは総量規制の対象にはなりません。また、総量規制には一部例外があり、貸金業者のお借入れでも総量規制の対象にはならないものもあります。
以下で、総量規制対象外となるローンを解説します。
- 銀行や信用金庫のローン
- ビジネスローン
- 消費者金融のおまとめローン
銀行や信用金庫のローン
銀行も個人向けローンを取扱っていますが、貸金業者ではないため総量規制は適用されません。また、信用金庫や労働金庫(ろうきん)なども貸金業者に該当しないため、総量規制の対象にはなりません。
これらのローンでは、総量規制の範囲にかかわらず、返済能力があると判断されればお借入れできる可能性があります。
ただし、銀行や信用金庫も、貸しすぎないように各社独自の規制を設けているため、銀行だからといっていくらでもお借入れができるわけではありません。
ビジネスローン
法人向けの貸付けは、総量規制の対象外です。また、個人事業主の場合は、本人確認書類や収入証明書などの書類を提出し、返済能力があると認められれば総量規制の「例外貸付け」に分類されます。そのため、審査次第では年収の3分の1を超えるお借入れも可能です。
レイクでは、個人事業主向けカードローン「レイク de ビジネス」を提供しています。自動契約機で19時30分(日曜日は19時)までに審査を含めたご契約手続きが完了すれば、即日のお借入れも可能です。
- お振込みの場合、一部金融機関および、メンテナンス時間等を除きます。
- 提携ATMをご利用の場合、ご利用手数料はお客さまのご負担となります。
レイク de ビジネスでは、お借入れ可能額の範囲内で繰り返しお借入れできます。コンビニATMでのお借入れも可能です。
消費者金融のおまとめローン
おまとめローンとは、複数社からのお借入れを1つにまとめるローンのことです。
一般的に、ご利用限度額が高いほど金利が低く設定されているため、おまとめローンのご利用でお借入れを1つにまとめればご利用限度額が高くなり、金利が下がる可能性があります。
また、ご返済日やご返済方法も1つにまとまるので、管理しやすくなり計画的なご返済が可能です。
おまとめローンは、「顧客に一方的有利となる借換え」となる条件を満たせば、総量規制の例外貸付けに該当します。そのため、審査によっては例外的に年収の3分の1を超えるお借入れも可能です。
おまとめローンを利用する際の注意点
おまとめローンをご利用すれば、ご返済の総額を抑えられる場合があります。一方で、ご利用時には注意点もあります。
- 追加借入れできない場合が多い
- 必ずしも利息が減るわけではない
- おまとめローンの対象に注意する
追加借入れできない場合が多い
おまとめローンは、複数社からのお借入れを1つにまとめ、完済することを目的としたローンです。そのため、おまとめローンでは基本的にカードローンのような追加のお借入れはできません。
お借入れを1つにまとめた後は、おまとめ先の1社にのみ返済していく仕組みです。
必ずしも利息が減るわけではない
おまとめローンのご利用で金利が下がっても、お利息の総額が減るとは限りません。
毎月のご返済額を減らすことでご返済が長期化すれば、結果的にお利息の総額が増えるケースがあります。
毎月のご返済額を減らせば月々のご負担は軽減されますが、ご返済が長引くとお利息の総額が大きくなるため、月々のご返済額を減らしすぎないことが大切です。
カードローン会社の公式サイトには、返済シミュレーション機能があります。
レイクの場合、「ご返済シミュレーション」でご返済金額や返済回数をシミュレーションしていただけます。ぜひご活用ください。
おまとめローンの対象に注意する
おまとめローンにより、おまとめの対象となるお借入れが異なります。
たとえば、現在消費者金融1社・銀行2社からのお借入れがある場合、貸金業者からのお借入れにしか使えないおまとめローンだと、銀行2社のお借入れをまとめることができません。
現在のお借入れが、おまとめローンでまとめられる対象に含まれているかどうかをあらかじめご確認ください。
また、まとめたいお借入れの種類によっては、お借入れ状況がわかる書類など別途書類の提出が必要な場合があります。
総量規制以上の金額を借りたい場合に知っておきたいこと
総量規制対象外のローンを利用すれば、年収の3分の1を超えていてもお借入れできる可能性があります。ただし、総量規制以上のお借入れには注意点もあります。
- 総量規制対象外でも返済能力を超えるお借入れはできない
- 他社の借入れ額はごまかせない
- 過去に延滞や債務整理をしていると審査に通りにくい
総量規制対象外でも返済能力を超えるお借入れはできない
銀行のローンやビジネスローンなどは総量規制の対象外ですが、返済能力を超えるお借入れができるわけではありません。
金融機関では、融資の際には必ず審査をおこない、お申込者の返済能力を調査します。これは、利用者が過剰なお借入れで返済困難に陥ることを防ぐ目的です。
総量規制の対象かどうかにかかわらず、各社返済能力を超える貸付けはおこなえないため、既に年収の3分の1近くのお借入れがある方はご注意ください。
他社の借入れ額はごまかせない
お申込みの際に他社からのお借入れ額をごまかすことはできません。
貸金業者からのご利用残高は、信用情報機関に記録されています。貸金業者が審査の際に信用情報を照会し、申込者のご利用残高を把握する仕組みです。
また、一定の条件を満たす場合は収入証明書類も提出する必要があるため、年収をごまかすこともできません。
審査に通過したいという理由で嘘のお借入れ額を申告するのは避けてください。虚偽の申告書を提出すると、審査に通過できなくなるだけでなく、罪に問われる可能性もあります。自分自身がご返済に苦しまないためにも、絶対にしないようにしましょう。
過去に延滞や債務整理をしていると審査に通りにくい
信用情報機関には、延滞や債務整理の履歴も一定期間記録されています。審査の際にこれらの履歴も照会されるため、一般的に信用情報に問題がある状態で審査に通過するのは難しいです。
信用情報機関に開示請求をすれば登録されている内容を確認できます。Webや郵送などで気軽に手続きが可能です。
信用情報に延滞などの記録が残っているか不安な方は、お借入れを申込む前に開示請求をおこなって確認してみましょう。
まとめ
総量規制は、年収の3分の1を超えるお借入れを禁止するもので、貸金業法で定められているルールです。貸金業者からのお借入れ合計額に対して適用されます。
貸金業者からのお借入れにのみ総量規制が適用され、対象外や例外貸付けになるローンもあります。
複数のお借入れがあり合計が年収の3分の1を超えそうな場合は、おまとめローンのご利用もご検討ください。
監修者:
松崎 観月
プロフィール:
大学卒業後、金融機関にて個人営業を担当し、資産運用の相談・保険販売などを経験する。退社後、CFP認定を取得。現在は金融に関する記事の執筆・監修を行う。これまでに執筆した記事は500本を超える。
資格情報:
CFP®、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、日商簿記検定2級