カードローンの利用限度額とは?
審査内容や増額する方法・注意点など紹介
更新日:2024年11月14日
公開日:2022年7月12日
カードローンは、自由に好きな金額を借りられるわけではなく、審査によって設定される「利用限度額」がお借入れの上限となります。
利用限度額が高いほどお借入れできる金額は多くなるため「利用限度額がどのように決まるか知りたい」という方もいるのではないでしょうか。
この記事では、利用限度額を決定する際におこなわれる審査の内容や、利用限度額の増額方法、また増額するメリットや注意点を分かりやすく紹介します。
カードローンを利用するにあたって覚えておくと便利な知識なので、ぜひ参考にしてください。
カードローンの利用限度額とは、お借入れできる上限額のこと
カードローンの利用限度額とはお借入れができる上限額のことです。利用限度額の範囲内であれば繰り返しお借入れができます。
ただし、利用限度額は審査によって個別に設定されるほか、カードローン各社によって上限が決まっているため、自分の希望する限度額が必ず設定されるわけではありません。
たとえば、レイクの場合はご融資額上限が500万円と決まっており、審査によってお客さまのご利用限度額が決まります。
以降でカードローンの利用限度額の決め方や注意点についてお伝えしていきますが、カードローンの特徴やメリット・デメリットも改めて知りたいという方は下記記事も参考にしてください。
カードローンの利用限度額の決め方
審査の明確な基準などは一般的に公表されていません。
申込み時に希望する利用限度額を伝えても、そのとおりになるかどうかは分かりません。審査で利用限度額の決定に影響する要素として考えられるものに、以下が挙げられます。
- 総量規制(年収の3分の1まで)
- 他社カードローンなどでのお借入れ状況
- 信用情報の内容
それぞれ以下で詳しく紹介します。
総量規制(年収の3分の1まで)
総量規制とは、過度なお借入れから消費者を守るために、年収の3分の1を超える貸付けを原則禁止する制度です。
総量規制は貸金業法で定められているため、貸金業者である消費者金融系カードローンは総量規制の対象となります。一方、銀行法に基づいて貸付けをおこなっている銀行系カードローンは、総量規制の対象外です。
しかし、銀行系カードローンでも支払能力を超えた過度なお借入れを防止する目的で総量規制に準じた独自のルールを定めている場合もあるため、返済能力を大幅に超える利用限度額は設定されないことが予想されます。
総量規制の対象となる消費者金融系カードローンでは、利用限度額は年収の3分の1以下となると考えておきましょう。
なお「年収の3分の1まで」とは、既に利用している消費者金融やクレジットカード会社などのお借入れ額も含まれます。
監修者:古関 俊祐
総量規制は、過剰な貸付により月々の返済ができなくなることを防ぐために作られた制度です。
この制度により、ご自身が希望する金額を借りることができない可能性もありますが、返済に困り生活が破綻することを防ぐためのものですので、ご自身の生活を守るためと理解しましょう。
総量規制の制度詳細や対象外となるローンについては、下記記事でも解説していますのであわせてご覧ください。
また、転職したばかりで収入に変化があればカードローン審査に影響を及ぼす可能性があります。転職時のカードローンご利用の注意点について下記記事で解説していますので参考にしてください。
他社カードローンなどでのお借入れ状況
カードローンを提供している会社では、審査にあたって申込者の信用情報を照会します。
信用情報とは国から指定された第三者機関(信用情報機関)に登録されている情報のことをさし、クレジットカードやローンの利用状況が登録されています。
信用情報には他社からのお借入れ状況も含まれるため、審査の段階で申込者にどのくらいのお借入れがあるか明らかになります。
前述のとおり総量規制は年収の3分の1を超えるお借入れを禁止としています。たとえば、年収が300万円の方は、総量規制に基づくと利用限度額の上限は100万円(年収の3分の1)となります。
そのため、既に他社からのお借入れが50万円ある場合、新しく申込むカードローンの利用限度額は50万円が上限になります。このように、申込者の情報を照会し、新たな利用限度額を設定することになります。
なお、総量規制は、貸金業者からの借入金の上限を制限するものであり、必ず年収の3分の1までは借りられるわけではありません。
他社でのお借入れ状況を申告しなければならない理由について、下記記事でも詳しく解説しています。
信用情報の内容
ここまで解説したとおり、利用限度額の決定には総量規制が関係していますが、総量規制の範囲内でどのくらいの利用限度額に設定されるかは、信用情報の内容などが参考にされます。
信用情報には、氏名や性別、住所をはじめとする本人情報だけではなく、これまでのクレジットカードやローンの支払い状況が登録されており、一定期間保管されています。
もし支払遅延・延滞、債務整理などが信用情報に登録されている場合、新しく申込むカードローンの審査に影響を与え、利用限度額が低く設定されることも考えられるでしょう。
信用情報の内容によっては、利用限度額が低く設定される以前に、審査の通過が難しくなることもあります。
現在クレジットカードやローンを利用している場合は、滞りなく支払いをおこなうことが大切です。
信用情報として登録される内容や開示方法について、下記記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
カードローンの利用限度額について知っておきたいこと
カードローンの利用限度額は高いほど使える額が大きくなるため便利ですが、以下の点は覚えておきましょう。
- 利用限度額を多くしたくても申告する情報は偽ってはいけない
- 利用限度額に余裕があっても必要なだけ借りる
以下でそれぞれ詳しく紹介します。
利用限度額を多くしたくても申告する情報は偽ってはいけない
利用限度額を多くしたいからといって、申告する年収やお勤め先、他社からのお借入れ状況などの情報を偽ってはいけません。
本人確認書類や在籍確認、信用情報にて事実確認がおこなわれるため、嘘の情報を申告しても審査が進むなかで明らかになります。
たとえば、他社からのお借入れが少ないほど審査に通過できる確率は高まる可能性があるため、実際より少なく申告したい人もいるかもしれません。
しかし、他社いくら借りているかは信用情報に登録されており、カードローン審査の信用情報確認の段階で明らかになります。
申告内容に虚偽の内容が含まれることが判明した場合、審査に通過できない要因となる可能性もあるため注意しましょう。
また、前述の在籍確認について、どのような確認がおこなわれるのか心配になる方も多いと思います。在籍確認の流れや確認項目について、下記記事で詳しく解説しています。また在籍確認で職場に電話がかかってくる可能性を少なくする方法についても紹介していますので参考にしてください。
利用限度額に余裕があっても必要なだけ借りる
審査によって決まった利用限度額が、予想よりも余裕のある金額だった場合でも、借りすぎには注意が必要です。
お借入れ額が多くなればなるほど毎月の返済額が多くなるほか、お借入れ額に応じて支払う利息も多くなります。
そのため、利用限度額に余裕がある場合でも必要な分だけ借入れ、計画的に利用することが大切です。
監修者:古関 俊祐
信用情報にマイナスの情報が記録されてしまうと、数年単位の長期間にわたりローンのお申込みや審査に悪影響を及ぼし、新たにローンを組むことやクレジットカードを発行してもらうことができなくなります。
そのため今は新たなローンを組む予定がなかったとしても、長い目でライフプランを考えたときに支障が生じることになります。延滞には気をつけてお借入れとご返済をするようにしましょう。
カードローンの利用限度額を引き上げる方法
カードローンの利用限度額が足りないと感じた場合、増額を申し込むことで利用限度額を引き上げられる可能性があります。
利用限度額を増額するまでの流れは以下のとおりです。
- 利用限度額の増額に申込む
- 審査
- 審査結果の通知
それぞれの詳細を以下で紹介します。カードローンに契約後、利用限度額が足りない際には役にたつので参考にしてください。
カードローンの利用限度額を増額する具体的なメリットについては、下記記事でも詳しく解説しています。
利用限度額の増額に申込む
一般的なカードローンでは、契約後に会員ページや専用の窓口などから増額の申込みが可能です。
審査の基準などは一般的に非公開ですが、増額の申込みにあたり必要になる提出書類などはカードローン各社の公式ホームページなどで確認できるのでチェックしておきましょう。
レイクでは、現在のご利用限度額が足りないと感じた場合、お客さまの会員ページにて増額ができるかどうかをご確認いただけます。
また、増額をお申込みの際には収入を証明する書類として、以下に記載しているいずれかの書類のうち、最新のものの提出をお願いする場合があります。
- 源泉徴収票
- 給与明細書(直近2ヵ月分)
- 住民税決定通知書/納税通知書
- 確定申告書
- 所得(課税)証明書
なお、カードローンの最初の申込み時に収入証明を提出していた場合、いくらまで増額できるかを正しく算出でき、急な増額が必要になったときにお手続きがスムーズになる可能性があります。
ただし増額申込みの際も審査はおこなわれるので、必ずしも増額申請が通るわけではないことに注意が必要です。
カードローンの審査で収入証明書類が不要なケースや、提出できない場合の対処法について、下記記事でも詳しく解説していますのであわせてご覧ください。
審査
増額の際にも契約時と同様に審査がおこなわれます。
前述のとおり、カードローン各社の審査基準は非公開ですが、収入の安定性や信用情報、借入れ状況などが考慮されることが一般的です。
たとえば、カードローンと契約後、返済遅延などを起こしており、信用情報にマイナスな情報が登録されている場合は増額審査に通過できないかもしれません。
そのほか、増額後の金額が総量規制に抵触すると判明した場合も、審査に通過できないでしょう。
審査でチェックされるポイントを抑えておき、通過できない要因を作らないことが大切です。
カードローンの審査自体はどのような流れで進むのか気になる方もいるでしょう。カードローンの審査項目や、審査の流れは下記記事で解説していますのであわせてご覧ください。
審査結果の通知
増額の審査が完了すると、カードローン会社から審査結果が通知されます。
カードローン会社によって異なる場合がありますが、一般的にメールや会員ページ、電話などで通知されます。
審査に通過した場合は、実際に利用限度額が増額されているか会員ページなどで確認しましょう。
利用限度額を増額するメリット
利用限度額を増額するメリットとしては下記のような点が挙げられます。
- 金利が低くなる可能性がある
- 他社カードローンに新たに申込まなくてもお借入れを増やせる可能性がある
それぞれ以下で詳しく紹介します。
金利が低くなる可能性がある
一般的にカードローンではお借入れ額が多くなると金利(適用利率)が低くなる傾向にあります。
利息制限法に基づき貸付け額に応じて15.0%~20.0%の上限金利で貸付けをおこなわなければならないためです。
- 元本の金額が10万円未満のときの上限金利→年20.0%
- 元本の金額が10万円以上から100万円未満のときの上限金利→年18.0%
- 元本の金額が100万円以上のときの上限金利→年15.0%
複数のカードローンに契約してお借入れを分散させるより、1社からまとめてお借入れして利用限度額を増額する方が、適用利率が下がって返済総額が少なくなる可能性があるということです。
カードローンの金利については下記記事でも詳しく解説しています。金利の仕組みや計算方法についても分かりやすい内容になっていますので、ぜひ参考にしてください。
他社カードローンに新たに申込まなくてもお借入れを増やせる可能性がある
現在契約しているカードローンで利用限度額が足りない場合、新しくほかのカードローンに申込む方法もあります。
しかし、新たなカードローン会社への申込みは、手続きや審査にともなう必要書類の提出など、それなりに手間がかかります。
借入れするカードローンが複数になると、返済計画を立てにくいだけでなく、返済日の管理も大変になります。
一方、増額の場合は、現在利用中のカードローンの会員ページなどから申込めるため、手間が少ないというメリットがあります。
返済額や返済日は会員ページで簡単に確認できるので、返済計画も立てやすくなるでしょう。
カードローンの利用限度額を増額する際の注意点
増額は利用限度額が足りないときには心強いサービスですが、利用前に下記の注意点は理解しておきましょう。
- しっかりと返済計画を立てて借りる
- 利用限度額の増額の申込みに必要な手続きを確認する
- 審査の結果によっては利用限度額が下がることもある
それぞれ以下で詳しく紹介します。
しっかりと返済計画を立てて借りる
お借入れ額が増えると返済額も増えることになるため、計画的な利用が大切です。
毎月の収入や出費、返済に充てられる現実的な金額を事前に把握しておき、無理のない返済計画を立てましょう。
また、利用限度額の増額審査に通過した場合にも、過度なお借入れは避け、必要最低限に留めるように心がけることが大切です。
下記記事では、カードローンのご返済方法や、万が一ご返済が遅れた場合の対処法について詳しく解説しています。
利用限度額の増額の申込みに必要な手続きを確認する
利用限度額の増額に申込む際にどのような手続きが必要になるか、事前に確認しておくことが大切です。
カードローン各社ではレイクを含め、契約後に利用限度額の増額を申込むための会員の方専用ページや窓口が設けられている場合が多いです。利用中のカードローンでは、どのような増額の申込方法があるのか確認しましょう。
また、利用限度額の増額を申込むと、再度審査がおこなわれます。その際、増額の申込み時に収入証明書の提出を求められる場合があります。
レイクでは、以下のいずれかの場合に収入証明書のご提出をお願いしています。
- 当社のご利用限度額の総額が50万円を超える場合
- 当社のご利用限度額の総額と他社のお借入れ総額の合計が100万円を超える場合
- 既にご提出の収入証明書類の発行日から、3年以上経過している場合
利用限度額の増額に必要な手続きを事前に確認しておけば、スムーズに申込みができます。緊急で増額の必要がある場合には、事前にチェックしておくことをおすすめします。
審査の結果によっては利用限度額が下がることもある
利用限度額の増額に申込むと、申込者の状況によっては利用限度額が現在より下がることもあるので注意しましょう。
利用限度額が下がってしまう原因として以下のような理由が考えられます。
- 前回の審査時より年収が下がっている
- 他社からのお借入れが多くなっている
- 返済遅延などにより信用力が下がっている
たとえば、前回の審査時よりも、収入が下がってしまっていたり、他社からのお借入れ額が多くなったりしている場合は、総借入れ額が収入に見合った利用限度額になるように調整され、減額されてしまう可能性があります。
まとめ
カードローンの利用限度額とはお借入れできる上限額のことをさします。上限はカードローン各社によって異なるほか、実際に設定される利用限度額は審査によって個別に設定されるため、必ず希望どおりの金額が設定されるわけではないことは理解しておきましょう。
また、利用限度額は返済能力や信用情報をもとに設定される可能性が高いため、日頃からクレジットカードやローンの返済遅延・延滞をしないよう心がけることが大切です。
利用限度額は、総量規制の範囲内であれば契約後に増額できる可能性があります。
ただし、お借入れ額が増えると返済額も多くなるため、増額後の利用にあたってはしっかりと返済計画を立てることが大切です。
監修者:古関 俊祐
利用限度額は、ご自身が借りたお金をきちんと返済できるように設定されるものです。そのため利用限度額が設定されることは、ご自身にとって必ずしも悪いことではありません。
カードローンをきちんと利用するためにも、利用限度額が設定される仕組みを理解して無理のない返済計画を立ててからカードローンを利用するようにしましょう。
監修者:
古関 俊祐
プロフィール:
東京都江戸川区出身。中央大学法学部卒。弁護士登録後から大手法律事務所にて消費者金融、銀行ローン各社との債務整理、過払金請求事件を多数取り扱い、現在も多くの依頼者からの相談を受けている。これまでの債務整理案件の取扱い実績は数百件に上る。また、債務整理案件だけでなく、保険や不動産など財産にまつわる問題、離婚や相続といった家庭内の問題などさまざまな問題について手広く対応し多角的視点から問題解決を図るプロフェッショナルとして活躍している。現在は、地元である東京都葛飾区の新小岩駅前にて弁護士法人新小岩法律事務所の代表弁護士として活動している。
資格情報:
弁護士