引っ越しの初期費用は分割払いできる?
分割できないときの対処法や削減方法も紹介
更新日:2025年5月8日
公開日:2022年10月27日

賃貸物件に引っ越す際には、多額の初期費用がかかることがあります。
引っ越しの際に生じる初期費用を払えない場合には、分割払いも検討してみましょう。この記事では、初期費用を分割払いする具体的な方法について解説します。
また、分割払いを利用できない場合の対処法もご紹介するので、参考にしてください。
引っ越しの際にかかる初期費用の相場と内訳
新たに住宅を借りて引っ越しする場合には、引っ越し代に加えて以下の初期費用がかかります。家賃6万円とすると、初期費用の一般的なめやすは以下のとおりです。
めやす | 家賃6万円で試算 | |
---|---|---|
敷金 | 家賃の1~2ヵ月分 | 6~12万円 |
礼金 | 家賃の0~2ヵ月分 | 0~12万円 |
仲介手数料 | 家賃の0.5~1ヵ月分+消費税 | 3.3~6.6万円(消費税込み) |
前家賃 | 家賃1ヵ月分 | 6万円 |
当月の家賃(日割り) | 家賃の0~1ヵ月分 | 0~6万円 |
火災保険料 | 1.5万円 | 1.5万円 |
保証料 | 家賃の0.5~1ヵ月分 | 3~6万円 |
合計 | 家賃3ヵ月分+1.5万円〜家賃8ヵ月分+火災保険料1.5万円 | 19.8~50.1万円 |
家賃が6万円とすると、初期費用の合計は約20~50万円です。上記のほかにも、鍵交換費用や消毒料などを請求される場合もあります。
初期費用で請求される内容や金額は契約する不動産会社や物件で異なるため、契約前にしっかり確認しましょう。
引っ越しの際にかかる初期費用や安く抑える方法について、下記記事でも詳しく解説していますので参考にしてください。
また、荷物を運ぶ引っ越し費用の相場を知りたい方は下記記事もあわせてご覧ください。
初期費用を審査なしで分割払いにする方法
初期費用をまとめて払えない場合は、分割払いを検討しましょう。次の方法であれば、審査なしで分割払いを利用できます。
- 現金で分割払いに対応している物件を探す
- 初期費用のクレジットカード払いに対応している物件を探す
それぞれの方法について解説します。
現金で分割払いに対応している物件を探す
物件によっては、初期費用を現金で分割払いができます。まとめて支払うことが難しい場合は、現金分割払いに対応している物件があるか不動産会社の営業担当者に尋ねてみましょう。
初期費用のクレジットカード払いに対応している物件を探す
不動産会社がクレジットカード払いに対応している場合は、クレジットカードの分割払いを選択できる場合があります。クレジットカード会社によっては、一括払いをした後に分割払いに変更できるサービスがあります。
ただし、クレジットカードを保有していない場合や、保有するクレジットカードが不動産会社に対応していない場合は、新たにクレジットカードを作る必要があります。その場合は審査なしでは利用できないので注意しましょう。
クレジットカードの分割払いで初期費用を支払う際の注意点
クレジットカードの支払い方法には、1回払い(一括払い)以外にも2回払いや分割払い、リボ払いなどがあります。分割払いとは利用した金額を3回以上に分けて同額ずつ支払う方法です。たとえば、30万円を6回払いで支払う場合であれば、毎月5万円と手数料を合算した金額を6ヵ月間支払います。
一方、リボ払いとは利用した金額にかかわらずあらかじめ設定した金額を毎月支払う方法です。たとえば、30万円をリボ払いで支払うとき、毎月の支払総額を3万円に決めている場合であれば、毎月3万円と手数料を支払います。
分割払いとリボ払いを利用する際は、次の2点に注意しましょう。
- 分割手数料がかかる
- クレジットカードの利用限度額に注意する
それぞれの注意点について解説します。
分割手数料がかかる
分割払いやリボ払いを利用する際は、手数料がかかります。なお、クレジットカードにおける手数料とはローンの利息に相当するため、利用残高が大きい分手数料の負担も大きくなります。
手数料を抑えたい場合は、分割払いであれば分割回数を少なくする、リボ払いであれば毎月の支払総額を多めに設定するようにしましょう。
クレジットカードの利用限度額に注意する
クレジットカードは利用限度額が定められています。初期費用が利用限度額に収まるか確認してからクレジットカードを利用しましょう。
初期費用が利用限度額内に収まる場合でも、利用残高によっては不足する可能性があります。クレジットカードで支払う前に、利用可能な金額についても確認しておきましょう。
また、初期費用をクレジットカードで支払うことで、利用可能額が減ってしまい今後の生活に支障がないか確認が必要です。
公共料金や携帯電話料金などをクレジットカード払いに設定している場合は、特に注意しましょう。
ローンを組んで引っ越しの初期費用を分割で支払う方法
引っ越しの初期費用を払えないときは、ローンを組んで分割で支払う方法を検討できます。引っ越し時に活用できるローンとしては、次のものが挙げられます。
- 引っ越しローン
- フリーローン
- カードローン
それぞれの特徴を見ていきましょう。
引っ越しローン
引っ越し用のローンを提供している銀行もあります。専用のローンのため、引っ越しに関わる費用以外は借りられませんが、金利はカードローンやクレジットカードの分割手数料に比べて低めに設定されているので、返済における負担を軽減できます。
お借入れの際には、使い道が分かる書類(見積書や契約書など)の提出が求められることがあるため、大切に保管しておきましょう。
フリーローン
フリーローンとは、使い道自由なローンです。たとえば、フリーローンなら引っ越し費用だけでなく、家具・家財を購入する費用や家賃などにも活用できます。
ただし、フリーローンもお借入れの際に使い道が分かる書類の提出を求められることがあります。スムーズに借入れるためにも、事前に提出書類を確認しましょう。
なお、フリーローンは次にご紹介するカードローンとは異なり、追加でのお借入れはできません。最初に借りた金額で足りない場合は、再度申込みをし、審査を受けなければなりません。
フリーローンと他のローンとの違い、審査や金利については下記記事で詳しく解説しています。
カードローン
引っ越しの初期費用が一時的に足りないなら、カードローンのご利用もご検討ください。カードローンは、ご利用限度額の範囲内で繰り返しお借入れでき、使い道も自由です。
また、消費者金融系カードローンなら即日のお借入れもおこなっており、初期費用の支払い期限まで余裕がない場合も対応できます。
レイクは、Webからのお申込みで21時(日曜日は18時)までに審査・必要書類の確認を含むご契約手続きが完了した場合、最短25分でお借入れが可能です。ただし、一部金融機関および、メンテナンス時間などを除きます。
カードの到着を待つことなくその日のうちにお借入れできる可能性があるため、急な出費にも対応できます。
また、はじめてご契約の方なら無利息サービスもご利用いただけます。なるべく利息を抑えたい方は、ぜひご利用ください。
カードローンの特徴や利用の流れを詳しく知りたい方は、下記記事もあわせてご覧ください。
カードローンを利用する際の注意点
カードローンは、ご利用限度額の範囲内で繰り返しお借入れが可能です。このようなカードローンの特性上、ご利用の際には次の3点にご注意ください。
- 返済計画を立てる
- 金利や無利息期間などの契約内容を確認する
- 余裕がある場合は多めの金額を返済する
以下で詳しく解説します。
返済計画を立てる
お金を借りると返済が始まります。借りる前に無理のない返済計画を立てておくことが重要です。毎月無理なくご返済できる金額はどのくらいなのか、いつまでに完済するのか計画を立ててから、カードローンにお申込みください。
また、カードローンはほかのローンとは異なり、ご利用限度額の範囲内で繰り返しお借入れが可能です。追加でお借入れすると毎月のご返済額やご返済期間が変わることもあるため、その都度、返済計画を立て直すことが大切です。
カードローン会社の公式サイトには、返済シミュレーション機能があります。
レイクの場合、「ご返済シミュレーション」でご返済額やご返済回数をシミュレーションできます。ご希望契約額の入力と無利息期間を選択すれば、毎月のご返済額とご返済回数が試算できます。
毎月のご返済額からご利用限度額を調べることもできます。ぜひご活用ください。
- このシミュレーションでの試算結果は参考値です。実際のご返済内容とは異なる場合があるので、あくまでもめやすとしてご確認ください。
カードローンの返済期日に遅れてしまった場合に生じるリスクや、遅れた場合の対処法について下記記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
金利や無利息期間などの契約内容を確認する
カードローンをご利用の際は、必ず金利やご利用限度額などのご契約内容をご確認ください。また、無利息サービスをご利用の場合は、いつまで無利息期間が適用されるのかもご確認ください。
レイクでは、諸条件を満たしたはじめてご契約されるお客さま限定で365日間の無利息サービスをご利用いただけます。
- 365日間無利息
ご利用条件:Webでお申込み・ご契約、ご契約額が50万円以上かつご契約後59日以内に収入証明書類の提出とレイクでの登録完了が必要
上記ご利用条件を満たさない方は60日間無利息または30日間無利息をご利用いただけます。
- 60日間無利息(Web申込みかつご契約額が50万円未満)
- 30日間無利息(自動契約機または電話申込み)
さらに、「1秒診断」では、簡単な項目を入力するだけで、お借入れが可能かどうかを事前に診断することも可能です。
なお、レイクの無利息期間開始日は「ご契約日の翌日から」となります。「お借入れ日の翌日から」ではありませんのでお気をつけください。
また、無利息期間経過後は通常金利が適用されます。
無利息期間中にもご返済日があります。会員ページでご返済日をご確認いただき、ご返済に遅れないようご注意ください。なおご返済が遅れた場合等、無利息期間が終了いたします。
カードローンの金利については下記記事でも詳しく解説しています。金利の仕組みや計算方法についても分かりやすい内容になっていますので、ぜひ参考にしてください。
余裕がある場合は多めの金額を返済する
家計に余裕がある場合は、多めの金額をご返済いただくことで利息が少なくなり、返済総額も減ります。カードローンの利息は、以下の計算式で算出します。
利息=お借入れ額×貸付利率(年率)÷365日(うるう年は366日)×お借入れ日数
上記の式から分かるとおり金利の高さだけでなく、お借入れ額が多いほど利息の負担が増え、ご返済総額も多くなります。
利息の負担を減らすためにも、余裕がある場合は約定返済額よりも多めの金額をご返済ください。
下記記事では、カードローンの一括返済の方法や注意について詳しく解説しています。
初期費用が分割で払えない場合の対処法

不動産会社や物件によっては、現金やクレジットカードでの分割払いに対応していないことがあります。また、対応していても利用残高不足で払えない可能性もあるでしょう。分割で払えない場合は次の対処法を検討できます。
- 親族や友人にお金を借りる
- 不用品を売却する
- 自治体の助成金を利用する
各対処法のメリットや注意点をご紹介します。
親族や友人にお金を借りる
親族や友人にお金を借りられないか相談してみましょう。
借りる場合は返済期限や返済計画を明記した借用書を作成し、共有するようにしましょう。借用書を作成することでトラブルを回避できるだけでなく、相手の不安感を軽減できる場合もあります。
下記記事では、親族や友人にお金を借りる際にどのように伝えれば理解を得やすいのか、借りる前に誰に相談すればよいのかを解説しています。
不用品を売却する
不用品を売却して得たお金を、引っ越しの初期費用に充てることもできます。中古品の買取業者やリサイクルセンターで売却すれば、その場でお金を受け取れます。ただし、業者によって買取額が異なるため、いくつかの業者から見積もりをとり、比較してください。
時間があるときは、インターネットオークションで売却するのもおすすめです。コレクターアイテムやブランド品なら、予想以上の高値がつくこともあります。
自治体の助成金を利用する
自治体によっては、引っ越し費用に活用できる助成金制度を実施しています。引っ越し先の自治体で実施していないか、ホームページで確認してみましょう。
ただし、助成金制度では引っ越し代が全額給付されるわけではありません。また、夫婦で暮らすことや住宅を購入して引っ越すことなどの条件が課されることもあるため、注意が必要です。
引っ越しの初期費用を抑える方法
引っ越しの初期費用が負担に感じる場合は、次の方法を実践してみてはいかがでしょうか。
- 敷金・礼金が必要ない物件を選ぶ
- 仲介手数料が安い不動産会社で契約する
- フリーレントの物件を選ぶ
それぞれの方法について解説します。
敷金・礼金が必要ない物件を選ぶ
物件によっては、敷金・礼金がない物件もあります。敷金と礼金で家賃の4ヵ月分になることもあるため、敷金・礼金なしの物件ならば、大幅に初期費用を抑えられるのではないでしょうか。
ただし、敷金は退去時の修繕費にも使われるお金であるため、敷金なしの物件に暮らすと、退去時にまとまった費用を請求される可能性があります。
また、敷金・礼金がない分、家賃が割高になっているケースもあります。契約をする前に、周辺の物件と比較し、適正な家賃か確認しましょう。
仲介手数料が安い不動産会社で契約する
仲介手数料は不動産会社によって異なります。初期費用を抑えたい場合は、仲介手数料が安い不動産会社で契約するのもおすすめです。
ただし、仲介手数料を安く設定する分、手数料や家賃に上乗せされているケースもあります。契約する前に支払う費用の明細を確認し、割高に設定されていないかチェックしましょう。
なお、賃貸物件の場合、仲介手数料の上限は借主からは家賃の0.5ヵ月分+消費税、貸主からも家賃の0.5ヵ月分+消費税と決められています。また、借主・貸主のいずれかが同意した場合は、片方に家賃の1ヵ月分+消費税の仲介手数料を請求することが可能です。
もし気に入った物件を扱う不動産会社の仲介手数料が家賃1ヵ月分だったときは、「大家さんに半分出してもらうように交渉できませんか?」と尋ねてみてください。
ただし、人気物件などの場合、無理な交渉をすると賃貸契約を断られてしまう恐れもあるため、慎重に交渉しましょう。
フリーレントの物件を選ぶ
フリーレントとは、家賃無料の物件のことです。永久的に無料なのではなく、一定期間暮らすことを条件に、最初の数ヵ月分の家賃が無料になることが一般的です。一定期間暮らすことが決まっているなら、フリーレント物件を選択肢に入れてもよいでしょう。
規定の期間内に引っ越すと、違約金を請求されることもあります。かえって高くつくこともあるため、フリーレントの物件を借りる際は契約条件を細部まで確認しましょう。
引っ越しの初期費用を分割で支払いたい際によくある質問
引っ越しの初期費用を分割払いする際に、よくある質問とその答えをまとめました。ぜひ参考にして疑問解消に役立ててください。
賃貸物件の初期費用は分割払いできる?
分割払いに対応している不動産会社であれば、初期費用を分割払いできます。不動産会社が分割払いに対応していない場合は、クレジットカードやローンを利用して分割で支払うことも可能です。
賃貸物件の初期費用を分割で支払う方法は?
賃貸物件の初期費用を分割で支払う方法には、以下のものが挙げられます。
- 現金分割払いに対応している不動産会社を選ぶ
- クレジットカードで初期費用を支払う
- ローンを組んで支払う
いずれの方法も基本的に手数料や利息が発生します。利用する前に確認しましょう。
まとめ
引っ越しの初期費用にはまとまった金額が必要です。分割払いに対応している不動産会社や物件もありますが、必ずしも利用できるとは限らないため、引っ越す前から計画的に初期費用を準備しましょう。
急に引っ越しが決まり早急にお金が必要になった場合はカードローンのご利用もご検討ください。基本的に使途が自由なため、引っ越しに関わる費用以外にも利用可能です。お借入れの前には返済計画を立て、無理なくご利用ください。

監修者:
古関 俊祐
プロフィール:
東京都江戸川区出身。中央大学法学部卒。弁護士登録後から大手法律事務所にて消費者金融、銀行ローン各社との債務整理、過払金請求事件を多数取り扱い、現在も多くの依頼者からの相談を受けている。これまでの債務整理案件の取扱い実績は数百件に上る。また、債務整理案件だけでなく、保険や不動産など財産にまつわる問題、離婚や相続といった家庭内の問題などさまざまな問題について手広く対応し多角的視点から問題解決を図るプロフェッショナルとして活躍している。現在は、地元である東京都葛飾区の新小岩駅前にて弁護士法人新小岩法律事務所の代表弁護士として活動している。
資格情報:
弁護士